〜〜〜 ビアトリクス・ポターの聖地を巡る旅(2018年6月) 〜〜〜
3日目(6/19) 湖水地方 ボウネス・オン・ウィンダミア〜ニアソーリー〜ホークスヘッド〜コニストン
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▼湖水地方最大の湖の隣にあるエスウェイト湖へ ニアソーリーの散策を終え、ツアーバスの待つヒルトップ農場前にあるバス停に集合し、次の目的地であるエスウェイト湖へ。バスに乗り込んで5分も経たない内にエスウェイト湖の駐車場へ到着。 ![]() エスウェイト湖 この写真はニアソーリー散策中に撮影したもの。 エスウェイト(Esthwaite)湖の名前の由来である「〜thwaite」という語句は、古北欧語の「thveilt」に由来し、牧草地のために森を開拓した土地のことを意味します。その語源どおり、エスウェイト湖の東側は緑豊かな牧草地が広がります。 グーグルマップでエスウェイト湖の位置を確認しますと、東側に湖水地方最大の湖 ウィンダミア湖(14.8平方キロ)があり、西側に第5位の大きさのコニストン湖(4.0平方キロ)があり、その間に挟まれた小さな湖がエスウェイト湖(1.1平方キロ)です。 ちなみに湖水地方の中で16ある大きな湖の内、11位がエスウェイト湖です。大きな湖に挟まれているので小さなと紹介しましたが、ウィンダミア湖の北にあるワーズワースの故郷で有名なグラスミア湖(0.6平方キロ)や、ライダル湖(0.3平方キロ)より大きな湖です。また、「湖水地方は、大小約500の湖が点在する」と紹介されますが、残りは小さな湖で、前回ご紹介したモス・エクルス湖もその小さな湖のひとつです。 ニアソーリーよりエスウェイト湖までは、徒歩約20分(800m)ぐらいの距離です。途中、前回の英国旅行の記事「モス・エクルス湖へその2」で紹介した、『こぶたのピグリン・ブランドのおはなし』に描かれた三叉路を通り過ぎ、その先に駐車場があります。 河野先生より、「ビアトリクスのボードがあるよ」とお聞きし、私もその場で一緒にいて、その事を聞いていたら「場所はどのあたりですか?」と質問できたのですが、見つけることはできませんでした。後でよく調べたら、「ビアトリクス・ポター・ウォーク」というのがあり、ニアソーリーからエスウェイト湖のビジターセンターまでの湖畔沿いのトレイルに、ビアトリクスのストーリーボードが設置されているとか。 また駐車場の先にある「ビジターセンター」のギャラリーに、ビアトリクスの作品をを紹介する展示コーナーがあったとか。「ビアトリクスに関連するボードがある」ということが分かっただけでも嬉しいのですが、行くことができなくて残念でした。 ![]() 駐車場の案内ボードにも「ビアトリクス・ポター・ウォーク」と案内がありました。ここに最大のヒントがあったのですけれどもね(^^; ▼ビアトリクスが「世界一美しい湖」と語ったエスウェイト湖 ビアトリクスは、16歳の時に初めて湖水地方に避暑で滞在し、ニアソーリーやエスウェイト湖の周囲を馬車で一周しました。その時の様子を後の日記で、「山を背景にした牧歌的な風景の方が好きだ。世界一美しい湖はエスウェイト湖だと思う」と書いています。 この湖は、ウィンダミア湖のようにウォータースポーツの内、釣りのみ許可されている湖のため、水上バイクなどの騒音は一切ありません。また、観光ツアーのコースには含まれないため、もちろんバスで通り過ぎることはありますが、立ち寄ることはほぼないので観光客もまばらでとても静かな湖です。 ![]() また釣りする人にとってはパラダイスのような湖で、湖北側エリアが広い浅瀬と水深の深い地形が混在し、特に絶好の釣り場だそうです。釣れる魚は、チャマス(brown trout)で、冬はカワカマス(pike)など。ジェレミー・フィッシャーがパクッと飲み込まれた魚も、巨大なマスで、ジェレミーは「カワカマスでなくて良かった」とあります。 ![]() そう、このエスウェイト湖は、『ジェレミー・フィッシャーどんのおはなし』の舞台であり、葦(reed)を棹(さお pole)にして、スイレンの葉のボートに乗り釣りします。駐車場からはスイレンの葉は見れませんが、葦が生い茂っている様子は確認できました。そして実際に大きなマスが釣れることで有名です。 ![]() ジェレミーの姿は見えませんが、葦の隙間をカモが餌を探していました。 おはなしに描かれた通り、この湖は水生植物が豊富で、そこに水生昆虫が集まり、カエルやイモリなどの両生類が、そして水辺の鳥たちが餌を求めてやってきます。これらの生態系を支えるエスウェイト湖は、湖水地方でも有数な栄養分を含む水質で、多種多様な野生生物を維持する貴重な湖となっています。 私達は湖を背景に全員揃って記念撮影をした後、迷路のように楽しい町ホークスヘッドへ移動しました。 |
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| ジェレミー・フィッシャーの故郷、エスウェイト湖へ(完) | |
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▼迷路のような町、ホークスヘッド散策 ニアソーリーからエスウェイト湖を経て、ホークスヘッドに到着したのは、午後3時過ぎでした。ホークスヘッドの位置は、エスウェイト湖の北側、ニアソーリーより車で15分(徒歩約50分)ぐらいです。 ホークスヘッド(Hawkshead)という名前の由来は、その昔まだ台地に氷河があった頃、「Haukr」という名前の古北欧人が材木を組み立て住み始めたことに由来します その後、湖水地方に鉄道が敷かれ、ウィンダミアとボウネスが急激に発展するまでは、ウール産業の中心地として、ここホークスヘッドに人々が集まり繁栄しました。 現在は、英国を代表するロマン派詩人ウィリアム・ワーズワースが通っていた学校があること、そしてビアトリクスが『まちねずみジョニーのおはなし』で挿絵に描いたことや、彼女の原画500点以上を所有するギャラリーがあることで、世界中から観光客が訪れます。 村のメインストリートはもちろんのこと、通路は狭く入り組んでいて、まるで迷路のようです。車は、村の南にある駐車場に停め、許可車以外は通行できません。私達も駐車場から集団で移動し、まずはひと通り場所を説明しようとしたところ、ひとりの老人に呼び止められました。「天気が良いように見えても突然雨が降りだすから気を付けなさい」と。確かに朝の爽やかな天気と比較して、空一面が雲に覆われていました。とてもご親切な方に「ありがとう」とお礼を伝え、散策が始まりました。 ![]() メインストリートの左側 ワーズワースが通った旧グラマースクール(白い建物) ![]() ビアトリクス・ポターギャラリーはこちらと示す看板 ▼『まちねずみジョニーのおはなしの舞台、ホークスヘッド ![]() 『まちねずみジョニーのおはなし』の背景に描かれたアーチウェイ。『まちねずみジョニーのおはなし』で、ニアソーリーから届いたチミー・ウィリーが忍び込んだ野菜カゴを受け取った住人が住んでいた家は、2003年訪れた際はカフェでしたが、「Relish」という調味料やジャムなど販売するショップに変わっていました。 ![]() ビアトリクス・ポター・ギャラリーの裏通り。裏通りは昔のままの玉石舗装。足元である地面に注目すると、ビアトリクスが描いた頃は舗道一面に玉石が埋められ、人や馬の通行で舗装が痛まない工夫がされていましたが、そんな以前の玉石舗装がメインストリートでは歩道の一部に、また裏通りは玉石舗装のまま残されています。 ![]() 変わったといえば、以前はなかったピーターラビット専門店がホークスヘッドにオープンしたこと。こちらはボウネスと同じ専門店で、店員さんはボウネス店よりも親切で、気前よくピーターが描かれたサービス用のビニール袋を分けてくださいました。 ![]() このショップで購入したビアトリクス・ポター協会の会員しか購入できないグリーティングカード 3種類 ![]() ビアトリクスの聖地の解説が地図と共に紹介されているレナードカード(日本語翻訳 A5サイズ) 日本ではあまり知られていないレナードカードですが、ヨーロッパなどではカードとして土産用に、教材としても利用されたり、美術館や書店などでも販売されているそうです。私がここで購入したのは、「ビアトリクス・ポターのニアソーリーとヒルトップ(写真上)」、「ビアトリクス・ポターの湖水地方の暮らしぶり」、「ビアトリクス・ポターの湖水地方水彩による風景画」の3種類。これらがセール品として見切り商品の中にありました。こんな素敵なカードが売れ残ってしまったなんてね。 ▼『パイがふたつあったおはなし』や『妖精のキャラバン』の舞台でもあるホークスヘッドの町 ![]() 『妖精のキャラバン』で、短毛種のテンジクネズミに、毛生え薬を持ってやってくるネズミのラットンとスクラッチ。マーマレードのマーケット広場にみんなが集まります。 ![]() 『妖精のキャラバン』で、タッペニーの住む家。こちらもドアの上部の形が同じで、挿絵に描かれた通り、通り抜けのアーチウェイ(赤い矢印)のそばにある家。 ![]() この赤い矢印のアーチウェイは、『パイがふたつあったおはなし』で、ダッチェスとリビーがすれ違うもののおじぎをするだけで話をしなかったという場所。ホークスヘッドのメインストリートの裏にあるアーチウェイ。 ![]() そしてそのアーチウェイから、リビーと同じ方向に進んでいくと、正面にビアトリクス・ポター・ギャラリーがあり、入り口部分は『パイがふたつあったおはなし』でタビタおくさんの雑貨屋として描かれました。 ![]() ビアトリクス・ポター・ギャラリーの斜め向かいにある建物は、『妖精のキャラバン』の19章でネココの店(Misses Pussy-Cats)として描かれた場所。建物の2階が1階より張り出していることを「オーバーハング(overhang)」といい、このような歴史的に興味深い建築物がホークスヘッドだけで38棟もあり、その多くは17世紀から18世紀の建物です。 ▼町を見下ろす高台に建つ教会 ![]() マーケット広場から高台へ登ったところにあるセント・マイルズ教会(St. Michael's Parish Church)。15世紀に建てられたもので、最も古い部分ベルが設置されているタワーは改装中でした。 ![]() 高台にある教会より見下ろしたホークスヘッドの家々。湖水地方でよく見られるスレートは、屋根部分のみで、漆喰の白い壁でおおわれた家々が、2階部分で横とつながりアーチウェイという構造になっています。 グルグルと同じところを回っていると、可愛い雑貨屋だったり、カフェだったり、家の軒下からぶら下がった花々を眺めたり、とても楽しい散策になること間違いないでしょう。そしてなんとなく見たことあると思ったら、そこは絵本で見た世界そのものです。 さて、ビアトリクス・ポター・ギャラリーの開館時間は午後4時までなので、そろそろギャラリーに向かいましょう。 |
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| ホークスヘッド散策とビアトリクス・ポター・ギャラリーその1(完) | |
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