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大東文化大学 ビアトリクス・ポター資料館に想いを寄せて

■オープニングセレモニーの模様

■ 2006年4月2日 オープニングセレモニーの模様
  ●レセプション

 オープニング記念式典は、ポター資料館の館内施設見学した後、場所を大東文化大学構内のレセプション会場へと移動し、さらに盛大におこなわれました。

  
  (写真)大東文化大学 学長 和田氏のご挨拶に始まり、乾杯へと

  
  (写真)BASS PALE ALE 乾杯のビールは、英国のビールが振舞われました。
      冷やさずにそのまま飲むのがおいしいのだとか。

   
 (写真左)テーブルに並べられた食事は、PETER RABBIT TEA GARDENのシェフが担当され、みなさんに振舞われました
 (写真右)PETER RABBIT TEA GARDENオススメのローストビーフ。柔らかくて、ジューシィーでとってもおいしい。


  
 (写真)各々のテーブルには、ピーターラビットとその仲間達をイメージした花々が活けられ、その中央にキャラクターたちが。

  
 (写真)レセプション会場内で、ピーターラビットグッズの展示も。

      

 「大東文化大学 ビアトリクス・ポター資料館 開館によせて」 立教大学名誉教授 吉田新一先生より
 
 私がもっとも感心して驚いている点は、当資料館が出来上がるまでの時間が非常に短かったこと、ということです。時間が短かったのにも関わらず、集められた資料の質の高さ、量の多さに驚いてます。

 英米文学科の河野先生が、7年前の1999年に在外研究員として、イギリスの大学に一年間いらして、その時イギリス文学の縁(ゆかり)の特に深いイングランドの湖水地方に度々訪れ、そこでビアトリクス・ポターの作品世界に初めて出会われ、深い感動を覚えたのが、この資料館が誕生するそもそもの発端だと、伺っております。

 河野先生は、ビアトリクス・ポターという人の、文学作品と人となりを、とりわけ美しい湖水地方の自然環境と、そこで生活してきた人々の生活環境を保護し、後の世代に維持していけるように、ポターが率先・尽力した偉業の精神に感動されて、これを今日の日本の特に若い人達へ伝えたいという夢を抱かれ、決意されたことと、伺っております。その夢のタネが見事に結実したのが資料館で、その夢をわずか7年間で実現されたことに私は敬服し、驚いています。

 河野先生の最初に抱かれた夢を、周囲の多くの方々の理解を得られ、とりわけ大東文化大学の大きな財政的支援があって実現できたことに、加えて地元の埼玉県のご好意あふれる協力もいただいて、局外者である私たちは深甚たる感謝を申し上げる次第です。

 イギリスでは、ビアトリクス・ポターを研究し、その遺産を広く普及するための研究団体が、1980年から活動しております。その会の機関紙では、2003年あたりから大東文化大学のポター・コレクションが話題になり始めております。そして、今日の開館を大きな期待をもって待っておられます。今日の模様をニュースに書いて、ビアトリクス・ポター・ソサエティの英米会員はもちろん、ヨーロッパにも多い会員達に知らせて欲しいと、私に要請がきております。イギリスは当然のこと、兄弟国であるアメリカにも優れたポター・コレクションがありますが、英語圏以外でポターのコレクションが独立資料館までもってオープンするのは、日本が世界で初めてです。世界で話題にならないはずがありません。

 ポターは、ピーターラビットの話を始めとする、小さな絵本シリーズで、世界中に知られている絵本作家ですが、19世紀末から20世紀半ばにかけて、まだ女性の自立が一般的でなかった時代に、女性として積極的な社会的活動をした先駆者の一人であり、また自立する女性として、文学・文化活動をしたばかりか、一人の人間として大きな社会的貢献をした一人でした。

 この資料館を拠点に、ビアトリクス・ポターが近日の私たちにメッセージを広く我が国にも伝え、様々な活動なされることをご期待申し上げ、かつご協力も申し上げたく、ここにビアトリクス・ポター資料館開館を心よりお祝い申し上げたいと思います。
(2006.4.2 レセプション会場にて。最後に登場された吉田新一先生のお言葉を掲載させていただきました)

    

 レセプション会場に駆けつけてくださった、ビアトリクス・ポター研究の第一人者であられる吉田新一先生の力強いお言葉に感銘を受けたので、ピーターファンのみなさんにも聞いていただきたくて、掲載させていただきました。

 ポターは、小さな絵本作家としての側面も持ちながら、それだけでは語りつくせないほどの偉業を成し遂げた人なのです。でもそれが特に若い人達の間には発信されずに今日まできました。今後は、ポターの成し得たこと、どうして実現できたのか、ポターの強い意思と、ポターの心を支えた美しい自然との関係を、少しずつ解き明かして欲しいと願います。

 最後に、吉田新一先生のお言葉に登場する、英米文学科の河野先生の言葉を掲載させていただきます。

    

 「ビアトリクス・ポター資料館 開館によせて」 英米文学科 教授 河野先生より

 当資料館の設立の主旨は、来館したすべての人たちがビアトリクス・ポターと彼女の絵本に興味を持ち、読書を楽しみ、彼女が私たちにたくした「人間と自然と動物の共存」というメッセージを知ってもらうことです。館内の展示作品は、世界遺産とも言える希覯書ばかりです。展示物のすべては、時空を越えて、今後もますますその輝きを増してゆくことでしょう。

 資料館の大きさ、形態は英国のヒルトップ農場を再現するように努めました。特に入り口玄関と階段はオリジナルのものを忠実に再現したものです。

 また現地のものに近づけようと努力している庭もゆっくりとご観覧下さい。さまざまな工夫が施されています。無造作に置いてあるシャベル、フルイ、ジョウロ、植木鉢などを目にしたビアトリクスの読者は、おのずと微笑んでしまうことでしょう。英米文学科の学生を始め、このプロジェクトに関わったおびただしい数の方々に心より感謝いたします。
(「Beatrix Potter Collection 文献目録」 大東文化大学図書館・英米文学科所蔵より掲載させていただきました)

 


大東文化大学 ビアトリクス・ポター資料館レポート 作成:「ラピータの部屋」ラピータ 協力:「PETER GARDEN」2006.7.18
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