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〜〜〜  ビアトリクス・ポターの聖地を巡る旅(2018年6月) 〜〜〜

3日目(6/19) 湖水地方 ボウネス・オン・ウィンダミア〜ニアソーリー〜ホークスヘッド〜コニストン
  


  • コックショット岬(Cockshott Point)

▼コックショット岬はビアトリクスファンにとって聖地のひとつ

 コロコロと変わる天気予報に翻弄されながらも、早朝天気が良いのはこの日だけだったので、朝6時にラウンジに集合しコックショット岬まで散策することにした。天気は予報通り晴天で、朝ゆっくり寝ていたい方のために自由参加にしていたものの、全員参加となり意気揚々と出かけた。



 コックショット岬は、ボウネスの町中よりウィンダミア湖畔沿いへ徒歩で約30分弱のところにある朝の散歩には打ってつけの場所。かといって特に観光のための施設がある訳ではなく、ただ美しい湖畔沿いの景色が見られるだけ。しかし、この場所はビアトリクスファンにとっては聖地のひとつで、ナショナルトラストがこの地を管理している。


コックショット岬に向かう途中出会ったコマドリ。私達を歓迎しているかのように見守ってくれた。

 ウィンダミア湖のフェリー乗り場の近くにあるコックショット岬は、ナショナルトラストが土地を取得する前、二度違う所有者に取得されそうになった。一度目(1911年)はウィンダミア湖に水上飛行機の飛行機工場を建設しようとした業者で、この時はビアトリクスも積極的に反対運動に加わり署名を集めて奔走した。二度目(1927年)は開発業者に渡る前にナショナルトラストが土地を取得しようしたが資金が足りず、ビアトリクスがピーターラビットの挿絵を50枚描き、それをアメリカの出版社が協力する形で販売し資金を得て、ナショナルトラストが土地を取得した。こうしてナショナルトラストの管理地となったコックショット岬は、ビアトリクスが守った土地と言っても過言ではない。ビアトリクスが守りたかった景観そのまま美しい湖畔沿いの静かな散歩道になっている。


大東文化大学 文献目録2018 原画コレクションに掲載されている「Peter Rabbit and Family」

 ビアトリクス・ポター資料館の原画コレクションのひとつに、コックショット岬の景観を守るためにビアトリクスが描いた50枚の内の1枚が所蔵されている。そこへ資料館の皆さんと一緒にその場所へ向かっていると思うと感慨深い。

▼ナショナル・トラストの管理地を示す道標


 場所は、レイク通り(Lake Road)からグレイヴ通り(Glebe Road)に入り、ウィンダミア湖に向かって進み、コックショット岬の道標の先を曲がるとすぐにナショナルトラストのロゴマーク「コックショット岬」が見える。


マークの手前にあるゲートは、開けたら必ず閉めるフットパスのゲート。


コックショット岬の正面に見えるのは、対岸のように見えますが、ウィンダミア湖最大の島、ベル島(Bell Isle)です。


観光地のど真ん中に静かな森が広がるコックショット岬 岬に沿ってフットパスがフェリー乗り場までつながっている

 ウィンダミア湖に岬(Point)と名称がつく場所は7カ所あり、コックショット岬の対岸にコートラップ岬(Coatlap Point)、対岸の湖畔沿いを北へ進むフットパス沿いにピンストーン岬(Pinstone Point)など。コックショット岬は、ボウネスからのアクセスの良さ、フェリー乗り場の隣に位置し、ヨットハーバーに挟まれた場所にあることからリゾート開発の地に選ばれたのだろうか。もし開発されていたらまた違った景観となり、このような美しい湖畔の景色ではなかったに違いない。


コックショット岬に広がるコックショットの森に差し掛かると、ツグミ(Thrush)が美しい声で鳴いていた。

▼野生のアナウサギと出会う
 

 そして再びコックショット岬のフットパスゲートに近づいた時、アナウサギが姿を見せてくれた。アナウサギも私達とばったり出会って急いで逃げ出し、後ろ姿しか撮影できなかったけれど感動のご対面。英国のそこらじゅうで見ることができるアナウサギの数が、凄い勢いで減っているというニュースを河野先生から聞いたばかりだったので、この出会いもビアトリクスがコックショット岬を守ってくれたおかげかもしれない。

 1時間半ほどの朝の散策の後、宿では朝食の準備中だった。湖水地方で迎える2日目の朝、予定していたコックショット岬に行くことができ大満足で、英国定番のイングリッシュ・ブレックファーストをいただく。そしていよいよ専用車に乗り込み、2日目に予定していたプランが始まる。
コックショット岬(完)
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▼ヒルトップ農場へ

 マウンテンゴートのミニバスが朝8時40分、前日伝えた通り10分早く迎えに来てくれ、ニアソーリーのヒルトップ農場を目指した。ボウネス散策の記事でも書いた通り、予定していたウィンダミアフェリーは運航中止のため、ウィンダミア湖を左側に眺めつつ北上し、湖の北側を回って対岸方面へと移動、ビアトリクスが世界で一番美しいと謳ったエスウェイト湖を右側に眺めながらニアソーリーへと向かう。運転手のデレック氏は、ビアトリクスについての知識も深く、途中通過する「ブロックホール(Brockhole)」や「レイカースル(Wray Castle)」について説明してくれた。もちろん英語なので言葉尻の単語を拾うぐらいしかできなかったけれど。

 ブロックホールは、ビアトリクスの従兄弟ガッダム家が暮らした屋敷で、ビアトリクスも度々ここを訪れていた。現在ビジターセンターとして家族で楽しめるアクティビティ施設となっている。

▼レイカースル
 レイカースルは、ビアトリクスが初めて湖水地方に訪れた際に滞在した屋敷で、デレックが「カウントダウンを始めたら対岸にレイカースルが見えるぞ」と合図し、みんなで左側の窓に注目していたら「3,2,1」「オーーー」と、一瞬だったけど要塞のような建物が見えた!


写真説明)対岸に見える要塞のような建物がレイカースル

 デレックのおかげで「ウィンダミアフェリーに乗れなくて残念」という気分は木っ端みじんに砕け散り、彼の活きな計らいに専用車内は笑いに包まれた。専用車はウィンダミア湖の一番北ウォーターヘッドに差し掛かり、そこからより細い道へと入っていった。


写真説明)細い道のカーブ手前で必ず対向車を町右手を挙げて合図する

 デレックは紳士なのでカーブの手前では必ず「先に行け」と手で合図を送り、その際運転手同士必ず片手を挙げての挨拶も欠かさない。

 やがてブラセイ川(River Brathay)に差し掛かり、「二つの川が合流する地点で大変美しい川」と言われた通り、本当に美しい川だった。できればどこかに車を停めてしばらく川の流れを眺めていたかったが、先を急ぐ旅なので致し方ない。

▼エスウェイト湖

写真説明)私の大好きな湖水地方の景色のひとつ、作業小屋越しに見るエスウェイト湖

 ミニバスはエスウェイト湖に差し掛かり、デレックの声も一段と大きくなり「エスウェイト湖だよ」と。そしてまさかのあの景色が再び目の前に現れた。2003年、2回目の英国旅行で見た夢のような景色、もうこの景色に出会うことはないだろうと思っていた景色がまた現れ、「なんて素晴らしい景色なんだろう」とその時に感じた同じ思いがこみあげてきた。

▼新しいピーターのバス停

 とうとうニアソーリー村へ。時刻は9時30分、ボウネスにある宿から50分、ヒルトップ・ハウスのオープン30分前に到着できた。ぐるっと遠回りのように感じたけれど、ウィンダミアフェリー乗り場で渋滞することを思えば到着時間はさほど変わらない。


写真説明)ヒルトップのバス停

 ヒルトップ農場の目の前、ここは「ヒルトップ」と示すナショナルトラストのマークがある場所に、これまでなかったバス停が設置され、ピーターのシルエットが可愛いフォトスポットになっていた。このバス停は、マウンテンゴートが運営するバス「525ファーソーリー(Far Sawrey)〜ホークスヘッド(Hawkshead)」で、ヒルトップバス停にあるもの。バスは10時20分始発で40分間隔で運行されている。

▼ヒルトップハウスのチケット売り場



 ヒルトップハウスのチケット売り場は並んでいる方が少しいるだけで、河野先生は1番乗りだった。私達も列に並びチケット売り場がオープンするのを待つ。ヒルトップハウスの入場でJTBの現地スタッフより気になる情報があり、「ヒルトップハウスの団体入場は予約が必須」とのこと。ヒルトップハウスの団体入場について、ツアーで訪れる場合は必須になっているらしい。前日、私達がまだ予約していないことを確認すると、JTBスタッフが予約の電話を入れ、団体予約コードを入手してくれた為、事なきを得る。こういう部分が素人とプロとの差!オリジナルツアーとはいえ、素人が作成したプランを細かい部分までチェックしてくれて有難い。


ヒルトップハウス&ショップ&ガーデン
9/2まで 10時〜17時30分 休日無し
9/3〜10/28まで10時〜16時30分 金曜日定休
入場料 10.9ポンド
(最新の情報はホームページでご確認ください)

▼ヒルトップ農場へ


ヒルトップ農場の入口
目の前の建物はヒルトップのお土産ショップで、ショップとガーデンはチケット無しで自由に出入りできる。


ヒルトップの小径を進んで、その先にチラッと見えているのがヒルトップハウス。


ヒルトップハウスへ


 ヒルトップハウスへ入場するためにタイムチケット。 10時入場チケット
ヒルトップハウスの扉を入った先でチケットを確認。時間のところにチェックを入れてチケットは返却される。

 これまで、ハウスとガーデンは同時に入場できなかったし、定休日も設定されていたので、オープンしている曜日に合わせてプランに組み込まなくてはいけなかったのが、それらすべて取っ払われオンシーズンはいつでもオープンしていることに感謝の気持ちで一杯だった。

 何よりも嬉しい出来事は、ヒルトップハウス内の写真撮影が許可されたこと!!!

 2016年のビアトリクス生誕150周年を記念して、ヒルトップハウスはもとより、ホークスヘッドのビアトリクス・ポターギャラリーも写真撮影が許可された。これまで頑なに拒否され続けた愛しい人がようやく振り向いてくれたような、待ちに待った瞬間が訪れた。

ヒルトップ農場へ その1(完)
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