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6月25日 向坂典子さんの個展に行って来ました
 

「向坂典子展 〜 土に遊び、竹紙に遊ぶ」 6/17(火)〜6/28(土)
   
   場所:GALLERY うぇすと

 展示内容:うさぎ物の陶器、日常雑器の展示、東京で初めて発表する竹紙による「うさぎ」「犬」「猫」等の張り子の展示

若狭の赤土を掘るところから作業は始まる。延々と土方作業ならぬ土を掘り、作業場に黙々と運び、それを何度も繰り返す。
やがて土をこね始め、本来の陶芸家としての手腕を発揮する。

興味を持ったもの、依頼を受けたものは、まずはその生き物をスケッチすることから始まり、飼うつもりはなくても愛着がわくと同時に手放せない存在となる。

おたまじゃくしから成長したひきがえるも「かわいくて仕方がない」と、餌の確保に奔走する。

そんな向坂さんの作品の中心となるのは「うさぎ」
大人気のうさぎの置物は、うさぎを飼っている者なら思わず声をあげずにはいられない作品ばかり。
寝ている姿だけでも気持ちよく爆睡している子もいれば、ちょいとたぬき寝入りしている子、足を投げ出し寝ている子、寝ながら毛繕いする子、寝姿ひとつ取ってもうさぎの特徴を見事にとらえ作品化している。

うさぎ飼い主がそれを見た瞬間、その仕草に我が家のうさぎを思い浮かべ、立ち止まり、熱心に見入ってしまう。
向坂さんも、置物を見入るその姿を見るだけで、この方はうさぎ飼い主さんかどうかすぐにわかってしまうと言う。

 
寝ている姿の置物    
赤土の置物は、寝て、起きて、ご飯を食べて、また寝る
一連の動きを作品にしたもの。セットで揃えて持ちたいと思う作品

 
うさぎピラミッド
一番下にいる子は今にも崩れそうになるのを必死に支えている。
うさぎ独特の丸みのある体の特徴がうまく表現されている

うさぎカード立て
うさぎが床に寝そべるカード立て



縦列駐兎の箸置き うさぎが3匹寄り添って並んでいる

 

張り子のうさぎ ロップイヤーにも挑戦 犬のように見えてしまうのは、ロップが犬顔に似ているからなのか?

 

うさぎの後姿が大好きな人にはたまらない「しっぽ大皿」
向坂さんの飼っているうさぎ ヒマヤランのちょびがモデルの焼き物皿



取っ手の部分を横からみると、いましたうさぎが。うさぎの耳の部分としっぽの部分がちょうど支えになって、かなり持ちやすいコーヒーカップ。



ひきがえるの上にうさぎ。
向坂さんの飼っているひきがえるは、やっとあまがえるの大きさにまで成長したが、もっともっと大きくなって欲しいという願望がこの作品にこめられているのかもしれない。




「蚊取り線香入れ」 上の円盤部分が蓋となり、蓋を少しずらして中に剣山を入れ、花器として使用してもよい。
ちょっと和風な空間になんともおしゃれ器。

<向坂典子さんの個展を振り返って>
うさぎと共に起きて、うさぎの時間を大切に、べったりでもない、だがうさぎが甘えてくる時はとことん接してコミュニケーションする。うさぎが機嫌をそこねると隠れ家から半分顔を出し、人間を気にしつつも近寄らない。

向坂さんにとって、うさぎと暮らすことは、生きるすべてのエネルギーを与えてもらう存在だったかもしれない。
でも決して依存しない、お互い距離を保つ存在でもあったようだ。
作品にこめられたうさぎの仕草も、この距離があったからこそ作品にできたのではないだろうか。

最後に、
向坂さんの愛兎「ちょび」が、お月様に住むちょびのママ福助の元へ帰る。
たくさんのおみやげ話と、個展の大成功の裏で大活躍したちょびへのご褒美を心待ちにしていただろうに。
享年7歳 どうか安らかに。

(向坂典子展報告 ラピータ著)2003.6.28
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