12月の様子に戻る




2003年12月8日 体調:△


○12月8日付け「今日のひとこと」より

4ヶ月経っても涙目が治らないプー。主治医のところでは、次は麻酔をかけて調べると言われていたので、ぐぅと違ってプーは麻酔経験はないし、ストレスには弱くその後の回復が心配だったのでなかなか決心がつかずにいた。

そこで、麻酔をかけずに涙の原因を調べてくれる病院を探し、プーを連れ診ていただいた。

診察は、X線の撮影と、左目の上のおでこ部分に最近になって手で触ってわかるほどのコブができ、そのコブの部分を一部採取し(針をさして吸引)検査機関で調べる方法で、原因をさぐってもらう。

頭部を真横から、上から、後ろから、正面から撮影したX線画像の内、上から見た写真で、左の鼻から目の部分を形成してる頭蓋骨の一部が溶け、なくなっている事。

検体の検査結果の用紙には、骨の組織が細胞内に溶け出し、細胞について難しい言葉で表現されてはいたが、「骨肉腫」の疑いがあるとの事。

。。。。。。。

「なぜ?プーが。。。」

今まで病気らしい病気をしたことがなかったのに。

ショックで目の前が真っ暗になるかと思いきや、何故かプーと暮らした日々が走馬灯のように頭の中をぐるぐると回る。
それもプーが満足した表情を浮かべていることばかり。一緒に暮らした5年半の間、プーがストレスに思うようなことは極力避け、自由に思うがままに行動させてあげられたと思う。

私の自己満足って言われたらそれまでだけど、プーはもっとやりたいことがあったかもしれないから。でも、我が家のいたるところにプーの痕跡があり、芸術作品が残っているのだ。

すべてプーがやりとげたこと。

狭い家だったかもしれない、すべる床は不自由だったかもしれない。プーの持ち前のバイタリティで不自由さをなんなく乗り越え、やがて私とプーの間にいつの日か信頼関係が生まれた。

プーが涙目になってからというもの、特に私に甘えたになり、私の手のひらにあるものはすべておいしいものと勘違いするほど、私の動作をいつも見て、そして甘える。

「甘える」なんて言葉はプーの辞書になかったはずなのに。。

「骨肉腫」の可能性が出てしまったら、次に何をするのか西洋医学の先生にお聞きしたところ、がん細胞を手術で取ることもひとつの方法だと言う。
ただし、がんというのは悪い細胞がひとつでも残っていると再び増殖し、同じことの繰り返しと言う。

骨に宿るがん細胞は、根が深く顔の頬、骨をそぎ落とすことになり、神経が集中している顔にそのような手術をすると、顔面麻痺の可能性もあるそうだ。

先生も手術を選択するよりは、抗がん剤で様子を見たほうがいいともおしゃった。抗がん剤もいろいろな種類があり、もしかしたら一発で治るという可能性もあるそうだ。

でも、その前に本当に骨肉腫かどうかを調べるために、麻酔をかけ手術をし、患部を一部切除し、検体を検査する必要があると言う。

調べるためだけに、残り少ない寿命をさらに縮めるかもしれない手術を受けさせるだなんて、私には耐えられない。

麻酔もかけずに、プーの涙目の原因を調べてくれた先生には本当に感謝の気持ちでいっぱいだけど、これ以上の延命治療は申し訳ないけれど私はきっぱりとお断りする。

それがプーの意思とも思って欲しい。そんなこと言っても信じてもらえないかもしれないけれど。

プーの生きる力を信じて、自ら生きたいって思う心を尊重していきたい。東洋医学の力を借りながら。

ひとつだけよかったと思ったことは、同じがんでも「骨肉腫」には遺伝性はないということ。大型犬など太った犬に多い病気で、その原因は未だ不明だそうだ。こんなに小さな頭なのに。。。
                          (今日のひとこと 12月8日より)

○3重苦の試練の日


レントゲンを撮られ、患部に針を刺されて、おまけに嫌いな車に乗せられと、今日はプーにとって3重苦の試練の日だった。体調は良い訳がなく△マーク。食欲は、牧草の葉っぱの部分のみ食べ、野菜もペレットもほんの少し食べるのみ。



○麻酔なしで涙目の原因を探ってもらえるというA病院へ。その検査方法及び結果は?

「針吸引採取法(注射の陰圧を利用する)」で、組織の一部を採取。
針を刺した部分が大きく腫れあがる。

「針吸引採取法」の欠点は、レントゲン写真を見ながら病変の組織を採取していく。針を刺す場所がほんの少しでも狂うとまったく違う結果となり、病名を断定できないということ。
骨が溶け出している事実、採取した細胞が物語るところから、「骨肉腫」という可能性が第一に考えられるという。その結果だけで私には充分だった。

しかしながら、西洋医学の診察ではさらにこの結果が正しいものであるかどうか組織検体を行う必要があり、それには麻酔をかけて患部を切開し組織の一部を外科的に除去する「外科生検法」を行う必要があると言う。

そこでさらに組織の詳しい分析を行い、本当に「骨肉腫」であるかどうか確定させるそうだ。
「骨肉腫」と診断が下るとその次には、

(上記に記載した「今日のひとこと」と、内容がだぶりますが。。。)

1.手術をしてがん細胞に侵された組織のすべてをそぎ取る方法

  骨肉腫の場合は、骨もがん細胞に侵されているので、頬だけでなく、骨もそぎ取る対象となる。なぜならがん細胞はひとつでも残っていると、そこから増殖し再び同じことの繰り返しとなるので。

  手術の場合は、悪い細胞の根の深さによりその危険度は大きく変わってくる。
  特に「骨肉腫」は根が深くやっかいながんとの事。
  また、顔の筋肉のまわりには神経が集中しているので、顔面麻痺になる可能性もある。
  顔という場所に出来たことが、飼い主側にとってもつらいことで毎日痛々しい顔を見るのはどれほど飼い主がつらいことかという点も指摘してくださった。

2.抗がん剤で治療する方法

  抗がん剤もいろいろな種類があり、一発で効き目が現れるそのような抗がん剤もあるそうだ。しかしながら抗がん剤は細胞のすべてをやっつける薬で、良い細胞も悪い細胞もどちらもやられてしまう。
  肝機能が低下し、みるみる弱っていく姿を見るのは耐えられない。例え悪い細胞もやっつけているとわかっていても。

 がんに打ち勝つには西洋医学ではこの二つの方法が最もポピュラーな方法だそうだ。
 「よく考えて、結論してください」と言われたが、最初から答えは決まっていた。

 「NO」 どちらの方法もプーは望んでいないし、やってはいけないことだから。

家族でいつも話し合っていることがある。それは病気について。
我が家では「プーには外科手術はしない」って、これだけはいつも話し合って決めていたこと。だから「骨肉腫」という病名を主人に伝えて、答えを聞くまでもなかった。暗黙の了解で二人とも「NO」ってわかってたから。

              「プーの生きる力を信じよう」

自然治癒にまかせて何も治療してあげない飼い主にみえるかもしれない。
でも、治療は西洋医学だけじゃない。東洋医学の力がプーに生きる活力を与え、病気に打ち勝つ強い子になってくれるはず。

東洋医学で一番大事なことは、その力を信じること。結果はそれみたことかと終わってしまうかもしれない。でもそこまで至る経緯は、精一杯自分自身の力で生き続けた証につながっていく。
一緒にがんばろうね、プー。

○診察費
  11865円(内訳 レントゲン検査 3800円 病理検査 4500円 他)




作成:2003.12.17 ラピータの部屋コンテンツ