〜〜〜 ビアトリクス・ポターの聖地を巡る旅(2018年6月) 〜〜〜
2日目(6/18) 湖水地方 マンチェスター空港〜ボウネス・オン・ウィンダミア
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▼ビアトリクス・ポター・アトラクション 湖水地方初日は、湖水地方で最も観光客の多いボウネスを中心に散策した。 ビアトリクス・ポター・アトラクション1) 建物外観 西向きの建物2階(写真は西向き側を撮影)と、南向きの2ヵ所に入り口がある まず向かったのは「ビアトリクス・ポター・アトラクション(The World of Beatrix Potter)」。ピーターラビットとその仲間たち23話のおはなしが、絵本より飛び出しジオラマで展開されている施設。 ビアトリクス・ポター・アトラクション2) 2018年リーフレット 入場料:7.95ポンド ビアトリクス・ポター・アトラクション3) ガイドブック1.50ポンド ビアトリクス・ポター・アトラクション4) 自動で開閉する入場扉 入場する前にまずは「The Tale of Mrs Heelis」のビデオ(約5分間)を見た後、奥の扉が開いてくが、入場扉がなかなか開きません。私達が入場券を購入している間、中国観光客の団体ツアーがやってきて先を越されたようでした。 ビアトリクス・ポター・アトラクション5) 動画 出版100周年記念クロック 入場待ちしている間楽しませくれるのは『ピーターラビットのおはなし』出版100周年記念クロック。時間になるとマザーグース「Tom Tom the Piper's Son」のメロディーに合わせてキャラクターたちがクルクルと回り始める。 ひと昔前、湖水地方観光に日本人がツアーで大勢訪れたように、現在は中国観光客ツアーの方が圧倒的に多いようです。30分ほど足止めされましたが、無事入場できました。 このようなジオラマの施設は、ひとしきり写真を撮ると次々と展開される場面の先が見たくて次へ、次へと進みたくなってしまうもの。でも子供目線ですべてのことに興味と疑問を持ちながら見ると、その先に進むのがもったいないほどの作りこまれた物語の背景とリアルなキャラクターたち。 ビアトリクス・ポター・アトラクション6) 『キツネどんのおはなし』のジオラマ 私のお気に入りが『キツネどんのおはなし』のこのシーン。ピーターとベンジャミンが心配そうに窓からのぞき見している後ろ姿。リアルなウサギも後ろ足ですくっと立ち上がる際は、何か心配なことがあり警戒している時で、耳をピーンと立てて様子を伺う。まさしくこのシーンも、恐る恐るキツネどんの家の中を覗き込み様子を伺っていて、後ろ姿からピーターたちの緊張感が伝わってくる。それがジオラマで表現されている。 ビアトリクス・ポター・アトラクション6) 『あひるのジマイマのおはなし』のジオラマ そして今回の旅のテーマカラーともなる『あひるのジマイマのおはなし』に描かれたジギタリス。旅行の時期を6月にした訳は、このジギタリスの咲く時期にどうしても行きたかったから。こちらはジオラマでジギタリスの森が見事に再現されていて美しい。 ▼ピーターラビットガーデン ピーターガーデン1) ジオラマ展示のルートの途中にある「ピーターラビットガーデン」 ピーターガーデン2) ガーデン内のシンボルのように設置されている2006年映画「ミス・ポター」公開記念銅像 2009年に施設内のジオラマだけではなく、道路に面した高さ2mのバルコニーのような部分(面積135u)に、「ピーターラビット・ガーデン」が新設された。 ピーターガーデン3) 「絵本に描かれた植物たち」を紹介するボード このボード「Plants from the Tales」は、ここに植えられている植物や菜園の野菜は、すべてビアトリクスが生きていた時代、絵本に描き描いた時代1943以前に英国国内で栽培されていた品種で、絵本に描かれた同じものを植えられていることを説明している。 ピーターガーデン4) ボードの一部 例えばラディッシュは、1859年の「ロングスカーレット(Long Scarlet)」もしくは「ウッズフレーム(Woods Frame)」で、括弧書きで「ピーターラビットのニンジンとしてよく知られている」と書いてある。日本人は、ピーターが手に持っているものをニンジンと見間違えるように、英国人も間違えるのかな?しかし本文に「ラディッシュ」と書かれているように、よくよく観察すると葉の形が現代のラディシュともよく似ている。 ピーターガーデン5) 植物はすべて絵本に描かれた品種 ラディッシュだけではない。きゅうりは「ロングホワイト(Long White)」1867年、キャベツは「1月キング(January King)」1867年、などなど。自宅にピーターの菜園を作ろうと目指している方は参考になることばかり。といっても100年以上前の種子を手に入れるのは容易ではない。 ピーターガーデン6) 窓の下に並べられたゼラニウムの鉢 ピーターガーデン7) プリムラビアリー サクラソウの仲間 文中紹介した「ピーターラビット・ガーデン」について詳しく紹介している記事の紹介。
ガーデニング誌「BISES(ビズ)」2010年2月号No.64
「憧れのイギリス湖水地方特集ピーターラビットの菜園だより」
2010/1/22のブログ記事でも紹介「ガーデニング雑誌BISES」▼再びアトラクション内へ ビアトリクス・ポター・アトラクション7) 『のねずみチュウチュウおくさんのおはなし』ジオラマ こちらはのねずみチュウチュウおくさんの生垣の下にある土手に住む家を再現したもの。生垣の木の根にそって掘られた穴にいくつもの部屋があり、部屋をのぞくとそれぞれのシーンが再現されている。ネズミもこんな風に穴を掘って巣を作るのかしら?そしてチュウチュウおくさんのようにきれい好きなのかしら?と不思議に思っていたことが。こうしてジオラマですべての部屋がつながった様子を見ることで益々探求心が芽生えるそんな作りになっている。 ビアトリクス・ポター・アトラクション8) 『りすのナトキンのおはなし』ジオラマ チュウチュウおくさんの家が生垣の下なら、次は頭上を見上げると、通路の両脇に大木があり、秋色に色づいた木々にナトキンや兄さん、従弟のリスたちがやってきて、手には木の実を抱えている。 ビアトリクス・ポター・アトラクション9) 大きなもみの木の下の砂の穴 大きなもみの木の下、砂の中に掘られた3つの穴、木の根にそって掘られていて、それぞれがトンネルでつながっている。 ビアトリクス・ポター・アトラクション10) アトラクション内をもっと楽しめるクイズ冊子 入口にて無料で配布されていたクイズ冊子で、クイズの答えを探しながら見て回るとまたさらなる発見があるかも。アトラクション内をじっくり楽しめる工夫がされている。 大好きなキャラクターたちと忠実に再現されたピーターラビットと仲間たちのおはなしの世界、次から次へと展開されるおはなしを思い浮かべながらその世界にどっぷりとひたれる施設。ピーターやベンジャミンのジオラマはあちこちで見られても、このように絵本のシーンが見られるのも世界中でこのアトラクションだけ。 ▼お土産ショップ アトラクション内をグルグル回って出た先は、アイテム数豊富なお土産ショップ。 お土産ショップ1) 入場扉の真向かいにあるお土産ショップ お土産ショップ1) 陶器製食器(写真左)と、メラミン製食器(写真右) お土産ショップ2) 窓用インテリアシール 大(写真左)と、小(写真右) お土産ショップ3) ショーウィンドウの中にロイター・ポーセリンのビアトリクス・ポター・シリーズ(写真左)と、ボーダーファインのフィギュア(写真右) ▼ティールーム 疲れたら2015年にリニューアルした「ビアトリクス・ポター ティールーム」でホッと一息ついて気分転換。 ティールーム1) アトラクションの下の階にあるビアトリクス・ポター・ティールームの入口(写真左)と、ティに欠かせないスイーツもたくさん(写真右) ティールーム2) 皆さんとティタイム ティーカップはヒルトップ・ハウスに展示されている白地に青で中国の景色が描かれた絵皿に似せたデザインにそっくりなティカップ(写真右) 旅の予定が盛りだくさんで慌ただしくても、ゆっくりお茶できる時間があればリフレッシュできた。総勢13名でのお茶の時間は、賑やかであちこちで笑いが湧き上がり楽しかった。 ウィンダミア湖湖畔に行く前に、もう1軒お店に行きたいと、ボウネス散策へ。 |
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ビアトリクス・ポター・アトラクション(完) | |
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▼ピーターラビットアンドフレンズ(Peter Rabbit and Friends) ビアトリクス・ポター・アトラクションを後にして向かったのは、ピーターラビットグッズの専門店「ピーターラビットアンドフレンズ」。 ピーターラビットアンドフレンズ1) ボウネス・オン・ウィンダミア店の外観 ピーターラビットアンドフレンズ2) ピーターラビットスカーフと、スカーフ以外にも同柄でポーチやトートバッグなど 友人がずっと探し求めていたピーターラビットスカーフも専門店であっさりと見つかり、持参したバッグのファスナーが壊れた友人は、スカーフと同柄のファスナー付き折り畳みバッグがちょうどサイズ感もよく、二人とも初日の買い物にご満悦な様子。 ちょうど棚の入れ替えで並べられていたのがピーターのボディケアギフトセット(ボディソープ、ボディケアクリーム、ハンドクリーム、石鹸)。ギフトセットということもあり、紙製のラウンドボックスに入って15ポンド。缶入りの高級石鹸は6.95ポンド。 ピーターラビットアンドフレンズ3) ボディケアギフトセットと、缶入り高級石鹸(Peter Rabbit Clean Linen Soap) 私が見つけたら購入しようと思っていたのは、海外のピーター好きな方のインスタグラムで見たStow Green社のティーポット型ティーバッグ入れ。陶器ならもっと良かったけれどプラスチック製3.49ポンド。 ピーターラビットアンドフレンズ4) Stow Green社のティーポット型ティーバッグ入れ ▼外貨両替ドルユーロ 今回の旅行で用意した現金ポンドは、銀行でもなく、空港の両替サービスでもなく、「外貨両替ドルユーロ」という外貨両替できるネット両替所で交換した。ここの魅力はなっといっても為替レートが銀行よりも安いことと、自宅にいながら両替できるということ。 160円後半で推移していたポンドのレートが150円を切った時、購入取引レートが150円(5/30時点)になり迷わず購入。送料400円込みで330ポンドがほぼ5万円で購入できた。 外貨両替ドルユーロのさらに良い点は、少額紙幣(20,10,5ポンド札)で用意してくれること。最初の英国旅行で苦労したのは、銀行で両替した時に50ポンド紙幣が3枚もあり、この紙幣が使えるところがあまりにも少なくて苦労したのだ。なので、同行の皆さんにも50ポンド紙幣は絶対に持ってこないよう伝えていた。 ▼デビットカード 現金以外で用意したのはVISAデビットカード。私が住んでいる近辺で取引できるのは、スルガ銀行のみだったので口座を作成するところから始めたけれど、クレジットカードのような審査もなく、カードもすぐに送られてきた。 使い方は、買い物の精算が終了し、金額を提示されたらデビットカードを見せて、暗証番号を入力する端末を店員が指示するので(指示の仕方は大概が顎で示す方が多かった)カードの矢印に合わせて端末にカードを挿入、きちんと奥まで挿入できたら表示されるメッセージが「Don't move card」と2、3回点滅し、暗証番号を入力し(海外では「Enter PINcode」と言われる)緑のOKボタンを押す。 PINコード(PINcode)と言われて、「何の番号?」って思ったけれど、ここは「暗証番号」で問題ないはずと4桁のあらかじめ自分で設定しておいた番号を入力して緑のOKボタンを押したら決済できた。日本では「暗証番号」で一般的に知られているけれど、海外で暗証番号は「PIN(Personal Identification Number)コード」という名称になる。 端末によっては表示される言語が選べるのもあり、その場合は最初に言語を選ぶ画面が表示される。例えば、パリ シャルル・ド・ゴール空港では、フランス語か英語か選べというのが最初に表示されたので英語を選んで緑のOKボタンを押し、その後使い方どおり。ヒースロー空港では英語か日本語か選べと表示された。 買い物はデビットカードで支払い、入場券や食事代金など大勢でまとめて支払う時は現金でと使い分けした。デビットカードの良い点は、使用した次の瞬間、メールで決済のお知らせが入り通帳から購入したその日のレートで引き落とされる。お財布に見立てた通帳から現金が使った分だけ減っていく感じ。 ▼ウィンダミア湖湖畔へ 湖水地方にひと足お先に滞在されていた河野先生がボウネスで私達と合流し、一緒にウィンダミア湖湖畔へ。 河野先生曰く「上野の不忍池とほとんど変わらない景色だけど」と案内してもらった先は、観光客からもらえる餌を求めて、鴨や鳩が忙しそうに動きまわり白鳥もやってきて鳴き声で騒がしい。 ウィンダミア湖湖畔へ1) ウィンダミア湖湖畔 ボウネス桟橋より 別の日の早朝、同じ場所で撮影した動画は、早起きな鴨以外は静かにお休み中だった。動画の最後にウィンダミアという看板を写していなかったら、やっぱり不忍池と疑われたかも(笑) ウィンダミア湖湖畔へ2) ウィンダミア湖湖畔の風景(動画で撮影) ▼ウィンダミアフェリー運航中止のニュース 翌日の予定を先生と話し合っている際、先生より衝撃的なニュース「ウィンダミアフェリーが運行中止」が伝えられた。 ウィンダミアフェリーは、ボウネスより少し南に下った先から、対岸のファーソーリーを結ぶフェリーで、500年以上の歴史があり観光スポットのひとつであることはもちろんのこと、人や自転車、そして車も運ぶ地元民も利用する交通の要。 そんなフェリーが運航中止?!と言われショックを隠し切れなかった。先生もフェリーに乗るのを楽しみにしていた私達がショックを受けるであろうから黙ってたとのこと。5月にエンジントラブルで火事となり、フェリーはそれから運航中止が続いているとのこと。 ウィンダミアフェリー(Windermere Ferry)2003年の英国旅行で撮影 フェリーが使用できない場合はウィンダミア湖の北側を遠回りして行くことになる。 そんな私達の心配は杞憂に過ぎなかったけれど、その時は心臓の鼓動が高鳴るぐらい衝撃的ニュースだった。 ▼関連ニュース ◎ウィンダミアフェリー休業についてのニュース記事 News & Star(2018/6/21付) 「カーフェリーは致命傷とも言える故障で当分休業('Significant damage' means Windermere Ferry will closed for some time)」 ▼フェリー休業の間の行き方 ◎ウィンダミアクルーズを利用してヒルトップ農場まで行く方法 (車の方はウィンダミア湖北側をお回りください) 1.ボウネス桟橋(注意:フェリー乗り場ではありません)よりフェリーハウスまで 「シャトル船(Cross Lakes Shuttle)」が運航。通常10時からだったものが朝9時より運行。 2.フェリーハウスからヒルトップ農場まで マウンテンゴートが運営するバス「525ファーソーリー(Far Sawrey)〜ホークスヘッド(Hawkshead)」(定員15名のミニバス)を利用。2018年時刻表 ▼夕食 夕食はボウネスの「Hyltonsレストラン」でソードフィッシュを注文。メニュー表にイメージ写真が一切なく、料理の名前の下に付け合わせの種類などが記載されているものの、まったくイメージがわかない。「変なものが出てきませんように」と祈るしかない。 夕食1) ソードフィッシュ(Sword Fish) レストラン外観 目の前に出てきたものは、見るからに美味しそうで驚いた。ひと口ほおばったら、甘辛ソースが魚だけでなく付け合わせの野菜にまでしみわたり、とっても美味しくて夢中になって食べてしまい、友人に味見してもらうのを忘れてしまうぐらい。ボウネスでの食事の際はぜひお試しを。 マンチェスター空港からボウネス散策まで初日の予定がすべて滞りなく終了。ボウネスで夜11時まで営業しているテスコ・エクスプレスで翌日の飲み物など購入し宿へ帰宅。宿の鍵は、玄関の鍵と部屋の鍵がセットになっているので、遅くなっても気兼ねなく出入りできて良かった。 いよいよ次はヒルトップ農場へ行くのですがその前にある場所へ。 |
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ボウネス散策(完) | |
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