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〜〜〜  ビアトリクス・ポターの描いた絵本の舞台を追いかけて(2003年8月) 〜〜〜

2日目(8/20) 湖水地方   ヒルトップ、ニアソーリー
  

旅行2日目 車で湖水地方に移動

  • ヒルトップ(HILL TOP) 念願の卵を発見

▼チケットオフィス

 2年ぶりに訪れた「ヒルトップ」。前回「ヒルトップ」に行った際は、「ヒルトップ」の入口にあるショップの一部がチケットオフィスになっていて、定員になると入場制限が行われ入口より入場待ちの長い行列ができていたのだが、チケットオフィスの場所が変更になり「タイムチケット」を購入することにより効率的に回ることが可能になった。

  
 (写真左)「ヒルトップ」の入口前にあるショップ。この看板には日本語で「この道路に沿って150メートルほど行ったところにある駐車場内のチケットオフィスで時間表示入場券をご入手してください」と書かれている。

 (写真右)写真左の看板の矢印に沿って150メートルほど進むと駐車場があり、駐車場の一番奥にチケットオフィスがある。写真右の看板は、ヒルトップ駐車場に建てられた看板。

  
 (写真左)駐車場の一番奥にあるチケットオフィス 「本当にここでいいの?」と思うぐらい小さな看板があるだけのオフィスだが。。

 (写真右)中に入るとたくさんのキャラクター達が出迎えてくれる。

 チケットオフィスで、タイムチケットを購入する。私たちが訪れた際には15時30分、16時のチケットが販売されていた。最終の16時のチケットを購入する。
16時までに「ヒルトップ」の入口前に行けば入場できるチケットだ。それまでの時間は自由に行動してかまわない。ショップでグッズを楽しんでもいいし、ニアソーリを探索してもよいのだ。

 以前もタイムチケット制だったが、基本的には入口で並んで入場を待つシステムだったので、新しいシステムは時間が効率よく使えて観光客にとってはとてもありがたい。

 ヒルトップが混んでいて3時間も4時間も待ち時間がある場合は、となりのホークスヘッドに行って「ポター・ギャラリー」を先に見に行ってもよいし、また「ヒルトップ」と「ポター・ギャラリー」の両方を見る場合は、50ペンス(約100円)の割引にもなる。

  「ヒルトップ」(HILL TOP)
  入場料 大人 4.50ポンド  ガイドブック 2.50ポンド(日本語版あり)

  「ポター・ギャラリー」とのジョイント券: 大人 7ポンド
   (ポター・ギャラリーの入場料: 大人 3ポンド ジョイント券は0.50ポンドお得)

  「ヒルトップ」営業日&時間:
  月〜水曜、土・日曜 10:30−16:30(最終受付は16時まで)
  月〜水曜、土・日曜のショップオープン時間:10:30−17:00
  木・金曜 クローズ (但しショップと庭は11:00−16:00の間無料で入場可能)

  住所:Near Sawrey,Ambleside,Cumbria,LA22 0LF
  主な行き方:
  ボウネス桟橋(Pier3)より汽船に乗車し、フェリー乗り場で下車。
  フェリー乗り場よりミニバスでヒルトップ前
  ボウネスのPier3より40分間隔で運行、
  チケットはボウネスPier3にて「B4 Network」のヒルトップまで
  大人片道:3.20ポンド、往復:5.70ポンド 

  駐車場:約50台ほど駐車可能 駐車場代:無料
  
(注意)定休日や営業時間は突然変更になるので、旅行出発前にはあらかじめ最新情報をご確認の上、スケジュールを考慮ください。

 
 「ヒルトップ」の入場チケット 2001年の入場料は、4ポンドだった。

▼「ヒルトップ」

 この家を舞台にたくさんのお話が誕生した。

 『グロースターの仕たて屋』
 『こねこのトムのおはなし』
 『ひげのサムエルのおはなし』
 『パイがふたつあったおはなし』
 『2ひきのわるいねずみのおはなし』
 『あひるのジマイマのおはなし』

 「ヒルトップ」の内部は、部屋そのものだったり、家具、小物までもが絵本の挿絵に登場し、また作者ビアトリクス・ポターのお気に入りだったものばかりが飾られている。

 「ヒルトップ」は2階建ての屋敷だが、それぞれの部屋は非常に狭く天井も低い。中は薄暗く、窓からもれる日の光だけが唯一の明かりとなる。1階は「玄関広間」と「応接間」の2部屋からなり、2階に通じる階段と踊り場、2階には小さな部屋が4つ。それぞれ「居間」「トレジャールーム」「寝室」「ニュールーム」となる。

 2001年の旅行記でも紹介したので内容が重複してしまうが、あらためて「ヒルトップ」を紹介していこう。
 2001年英国旅行記の「ヒルトップ」紹介ページは、こちら

▼玄関広間

 「玄関広間」には『ひげのサムエルのおはなし』に登場する暖炉がある。暖炉の下に敷いてある敷物(ラグ)も絵本の世界そのものだ。この敷物は、昔から湖水地方で作られた伝統的な織物だそう。

  
 (写真左)「BEATRIX POTER AND HILL TOP」日本語解説書より The National Trust
  玄関広間にある暖炉の写真。暖炉、ラグ、揺り椅子、どの部分を見つめてもそこは絵本の世界
へと続いていく。

  (右の挿絵)『ひげのサムエルのおはなし』より
        ビアトリクス・ポター(著) いしいももこ(訳) 福音館書店(刊)
  暖炉の前のラグの上で話をするリビーとタビタ。チッペンデール様式のマホガニー材の揺り椅子は、ビアトリクス・ポターの作品に頻繁に登場する。

 玄関広間で注目して欲しいのは、暖炉脇のドアにかかっている「ドアノッカー」
 この「ドアノッカー」は、『パイがふたつあったおはなし』の中でダッチェスが花束を持ってリビーの家に出かける際にドアについている「ドアノッカー」なのだ。このようなうれしい発見をするたびに絵本の世界の中にますます入り込んでしまう。

 
 『パイがふたつあったおはなし』より
 ビアトリクス・ポター(著) いしいももこ(訳) 福音館書店(刊)
 黒犬ダッチェスの後ろのドアについているドアノッカーとまったく同じものがヒルトップの玄関広間の暖炉脇のドアについている

 2階へと続く階段の広間手前には大きな柱時計が置いてある。これは『グロースターの仕たて屋』に登場する。

  
 (写真左)「BEATRIX POTER AND HILL TOP」日本語解説書より The National Trust(刊)
  玄関広間にあるオークプレス製の食器棚と、オーク材の長枠時計

  (右の挿絵)『グロースターの仕たて屋』より
        ビアトリクス・ポター(著) いしいももこ(訳) 福音館書店(刊)
  食器がカタコト鳴るのに不思議に思ったおじいさんが食器棚にある食器をのぞきに行く場面。食器棚の奥にある柱時計は「ヒルトップ」にあったもの。

 
 『ひげのサムエルのおはなし』より
 ビアトリクス・ポター(著) いしいももこ(訳) 福音館書店(刊)
 こねこのトムをねこまきだんごにしようと、台所へ向かうねずみのアナ・マライア。後ろの食器棚の下の部分をよく見ると「玄関広間」にある食器棚と細部までまったく一緒に描かれている。

  
 (写真左)玄関広間の出窓の外側の窓に置いてあった「ゼラニウム」の鉢
  お話の中では玄関を入った出窓に置いてある「ゼラニウム」の鉢だが、葉っぱが少し黄色くなりかけていたので日光浴をさせていた模様。「ヒルトップ」の内部は写真撮影禁止だが、外に出ていたので撮影することができた感激の一枚。

 「ゼラニウムなんてちっとも珍しくない」って言われてしまうかもしれないけれど、絵本の挿絵に登場する本物はやっぱり違う?

  (右の挿絵)『こねこのトムのおはなし』より
        ビアトリクス・ポター(著) いしいももこ(訳) 福音館書店(刊)
  タビタお母さんが、お友達をお出迎えしている場面。タビタお母さんの後ろに見える出窓に置いてあるのが「ゼラニウム」の鉢

(絵本をお持ちでない方のために挿絵画像掲載しましたが、この挿絵を見ることで、お話が読みたいって思ってくれればうれしいです。)

▼応接間

 「応接間」は人間が3、4人も立つといっぱいになるぐらいの小さな部屋。この部屋でまず目に入るのが大理石の暖炉。応接間らしい高級感あふれる雰囲気をかもしだしています。

  
 (写真左)ヒルトップショップ内で売られているポストカードより 0.35ポンド
   暖炉脇にある吊り戸棚の中に1902年と記されたエドワード7世戴冠式を記念したティーポットが飾られている。

  (右の挿絵)『パイがふたつあったおはなし』より
        ビアトリクス・ポター(著) いしいももこ(訳) 福音館書店(刊)
  リビーとダッチェスがお茶しているティーポットが応接間の吊り戸棚の中にあるティーポットそのもの。このティーポットの画像は、以下の本よりご覧になることができます。

 「THE ULTIMATE PETER RABBIT」 DK(A Dorling Kindersley Book 刊)
 60ページ『THE PIE AND THE PATTY-PAN』の中にエドワード7世戴冠式を記念したティーポットの写真が掲載されている。

(絵本をお持ちでない方のために挿絵画像掲載しましたが、この挿絵を見ることで、お話が読みたいって思ってくれればうれしいです。)

▼階段と踊り場

 階段の途中にある「踊り場」が、この屋敷の中で一番明るい場所となります。何故なら吹き抜けの天井に高さ2メートルぐらいありそうな大きな窓が設置されているから。

 この大きな窓から「ジマイマの森」へと続く小高い丘が見渡せます。ビアトリクス・ポターは、階段を上り下りする度に「ジマイマの森」を眺めていたに違いありません。この「ジマイマの森」こそが『あひるのジマイマのおはなし』の舞台となったところなのですが、残念ながらこの森へは立ち入り禁止となっています。

 
 「ヒルトップ」の庭から見た「ジマイマの森」 
 ヒルトップ農場から馬車道が続いており森へとつづく
 ビアトリクス・ポターの死後、その遺体は荼毘にふされ遺灰は「ジマイマの森」にまかれたのではないかと推測されている。事実は誰にも知られていないため謎につつまれたまま。

  
 (写真左)「BEATRIX POTER AND HILL TOP」日本語解説書より The National Trust(刊)
   階段の踊り場。大きな窓の手前には彫刻が飾れるスペースがあり、カーテンが端に束ねられ、ここにも柱時計がある。

  (右の挿絵)『ひげのサムエルのおはなし』より
        ビアトリクス・ポター(著) いしいももこ(訳) 福音館書店(刊)

  子供達の姿が見えなくなり、パニックになって探し回るタビタお母さん。手すりに柱時計、大きな窓、すべてが絵本の挿絵そのもの。

  
 (写真左)「BEATRIX POTER AND HILL TOP」日本語解説書より The National Trust(刊)
   階段を上りきった廊下部分。下に見える大きな窓は、踊り場にあった大きな窓。

  (右の挿絵)『ひげのサムエルのおはなし』より
        ビアトリクス・ポター(著) いしいももこ(訳) 福音館書店(刊)

  ねこまきだんごにするために必要なめん棒を取りに行き、ころがしながら戻ってきたところ。ひげのサムエルの視線で背景が描かれ、太った大きなねずみというその体の大きさが絵から伝わってくる。ねずみが猫をやっつけるという逆転現象が起きるのも、子猫と太ったねずみならありえると思えるぐらいの大きさだ。

(絵本をお持ちでない方のために挿絵画像掲載しましたが、この挿絵を見ることで、お話が読みたいって思ってくれればうれしいです。)

▼居間

 この部屋はビアトリクス・ポターのプライベートルームだったのではないだろうか。幼少の頃の写真が飾られ、食器棚にはピーターラビットのキャラクター商品としてまだポターが生きていた頃に製造されたものが並ぶ。何かつらいことがあった時、疲れて元気がなくなった時に、この居間で自分を取り戻し元気になっていくそんな役割を持った部屋ではないかという気がしてならない。

 またこの部屋にはポター自身が描いた水彩画が飾られている。題名は「Spring」窓の右側に繊細な筆遣いの小さな絵を見つけたらそれはポター自身が描いた作品。小さい作品ながらもその細かさ、色のあでやかさは見事だった。

  
 (写真左)「BEATRIX POTER AND HILL TOP」日本語解説書より The National Trust(刊)
   居間に飾られている整理ダンスと、整理ダンスの上に乗っている鏡台。この整理ダンスの横に小さな出窓がある。

  (右の挿絵)『こねこのトムのおはなし』より
        ビアトリクス・ポター(著) いしいももこ(訳) 福音館書店(刊)

  こねこのトム達が服を着せてもらう挿絵に登場する出窓。整理たんすの位置が絵本の挿絵とは違うが、整理たんすも鏡台も絵本の挿絵に登場する。

(絵本をお持ちでない方のために挿絵画像掲載しましたが、この挿絵を見ることで、お話が読みたいって思ってくれればうれしいです。)

▼トレジャールーム

 ビアトリクス・ポターがコレクションしたものを飾るための部屋。他の小さな部屋と比べひときわ小さな部屋だが、コレクションを飾るためだけなら充分なお部屋。
コレクションしたものは、陶器、装身具、ペンダント、ブレスレットなどの骨董品が主だそうだ。

 
 ヒルトップショップ内で売られているポストカードより 0.35ポンド

 『2匹のわるいねずみのおはなし』に登場する赤いレンガのミニチュアハウスは、ポターが持っている物とは相違するが、ミニチュアハウス内のそれぞれのパーツのほとんどはポター自身がコレクションした物を描かれている。

 このポストカードではわかりづらいけれど、下の段左端にはハンカ・マンカがお米とかコーヒーとか書いてある缶を見つける食器棚があり、食べられないけれど見た目そっくりな食べ物も絵本の挿絵に出でくるそのものが飾られている。ハンカ・マンカがベビーベットに使用したゆりかごは下の段の右側に。
上の段にはハンカ・マンカ達のねずみ穴に入れることができなかった鳥かごも。

  
 『2匹のわるいねずみのおはなし』より
 ビアトリクス・ポター(著) いしいももこ(訳) 福音館書店(刊)
 (左の挿絵)思わず食べてしまいたくなる見た目そっくりな食べ物。お話の中では土で出来ているとなっている。
 (右の挿絵)ハンカ・マンカがベビーベットに使用したゆりかご。ポターがコレクションしていたゆりかごを描いた。

 「THE ULTIMATE PETER RABBIT」 DK(A Dorling Kindersley Book 刊)
 先ほども紹介した本だが、もしお持ちなら50ページ『TWO BAD MICE』もご覧いただきたい。ポターのコレクションしていたミニチュアのアイテムが紹介されている。

(絵本をお持ちでない方のために挿絵画像掲載しましたが、この挿絵を見ることで、お話が読みたいって思ってくれればうれしいです。)

▼寝室

 あこがれの天蓋付きベットがある寝室。ベットの大きさは意外と小さく小柄な女性がひとりで寝るぐらいの大きさしかない。

  
 (左の写真)「寝室」天蓋付きベット。
     ヒルトップショップ内で売られているポストカードより 0.35ポンド

 (右の挿絵)『こねこのトムのおはなし』より
        ビアトリクス・ポター(著) いしいももこ(訳) 福音館書店(刊)

  こねこのトム達がお客様がいる間、寝室でおとなしくしているようにとタビタお母さんに注意されたのに、結局どっしん、ばったんと大暴れ。天蓋付きのベットもトム兄弟にかかると楽しい遊び場に早替わり。

(絵本をお持ちでない方のために挿絵画像掲載しましたが、この挿絵を見ることで、お話が読みたいって思ってくれればうれしいです。)

 寝室には19世紀のフランス人形が飾られていて、その内の2体が『2匹のわるいねずみのおはなし』に登場するルシンダとジェインのモデルになっていると言われているいるそうです。

 
 『2匹のわるいねずみのおはなし』より
 ビアトリクス・ポター(著) いしいももこ(訳) 福音館書店(刊)
 ポターのコレクションであるフランス人形がモデルとされている(寝室に展示されている)

▼ニュールーム

 「ヒルトップ」はもともと17世紀後半に建てられた建物ですが、「ニュールーム」その名の通り1906年に増築された部分。

 増築された時に段差がついてしまったようで、この部屋に入るときはわずかばかりの段差があるので要注意。部屋が暗いので私も思わずつんのめってしまい、ナショナルトラストの方にびっくりされてしまいました。こけた拍子に大切な宝物に傷がついてしまったりしたら大変ですから。

 この部屋はとても落ち着いた雰囲気で他の部屋と比較してもすこし広めの設計になっているようです。天井も心持ち高くなっていて壁一面に大きな風景画が飾られているのですが、それらの装飾品をゆったりとした気持ちで眺めることができます。ここではポターが書き物をするために使われた部屋。

 
  「ニュールーム」
  「BEATRIX POTER AND HILL TOP」日本語解説書より The National Trust

▼煙突

 前回の旅行で撮影しそこねた「煙突」。今回はしっかりと撮影してきました。

  
 (写真左)ヒルトップの煙突。煙突上部についているのは雨よけのスレート。

 (右の挿絵)『ひげのサムエルのおはなし』より
         ビアトリクス・ポター(著) いしいももこ(訳) 福音館書店(刊)
  こねこのトムが隠れた煙突内部。煙突の上部には雨よけのスレートがあったため外には出られなかった。さぁ〜その後トムは大ピンチに。。

▼建物外観

 湖水地方、とくにニアソーリーの美しい景色が気に入ったビアトリクス・ポターが1905年に「ヒルトップ」を購入する。この屋敷は17世紀後半に建てられたもので、英国独特のスレートの屋根と、不ぞろいな石を固めた壁で出来ている。
 
 ヒルトップの入口。タイムチケットを持ってこの前で待っていると時間がくれば係りの人が出てきてチケットをチェックし中に入ることができる。

  
 (写真左)ヒルトップの入口前で写真を撮影する際は、必ず向かって左側の壁に寄りかかるようなつもりで建つ。帽子を手に持つとなおよい。有名なビアトリクス・ポター本人の写真と同じポーズ。

 注意:実際に撮影する際は壁に寄りかからないでね。長い年月が経過したみんなの大切な建物だから建物や建物内部にあるものには「一切触れずに大事に見る」という気持ちを忘れずに。

 (写真右)入口横のベンチに座って。ここしか座るところがないのでこのベンチは人気スポット。

▼ヒルトップ農場

 自分の屋敷「ヒルトップ」を手に入れてから農業や自然保護にも関心を持つようになるビアトリクス・ポター。その第一歩となるのが農場の管理人キャノン夫妻と共に歩んだ農場経営だった。

 
 実際に撮影できる「ヒルトップ農場」はこの角度のみ。手前の馬車道をジマイマとケップが歩くのだが、絵本の挿絵では下の写真を参照。

  
 (写真左)「BEATRIX POTER AND HILL TOP」日本語解説書より The National Trust(刊)
  「ジマイマの森」から「ヒルトップ農場」へと続く馬車道。手前が「ヒルトップ農場」右に垣根が続き、奥の屋敷が「ヒルトップ」
  「ヒルトップ農場」への入口が封鎖されているためこのポイントでの撮影は不可。

  (右の挿絵)『あひるのジマイマのおはなし』より
        ビアトリクス・ポター(著) いしいももこ(訳) 福音館書店(刊)

  危うくきつねの紳士に食べられてしまうところをケップとその仲間達に助けられるジマイマ。ジマイマは大切に育てていた卵がなくなり悲しくて涙を流しながら帰宅する。絵本の挿絵では遠くの景色がぼんやりと見えますが、建物をよく見るとこの景色をスケッチしたというのがよくわかる。

  
   (写真左)前回の訪問の際もリビーの井戸を探し当てられなかった。ヒルトップ脇にある建物の2階部分はかろうじて撮影できるのだが、井戸はどうやらこの1階部分の戸口の外にある模様。1階部分は石垣と背の高い植物に覆われていて撮影は難しい。

  (右の挿絵)『パイがふたつあったおはなし』より
        ビアトリクス・ポター(著) いしいももこ(訳) 福音館書店(刊)
    お茶の道具を洗うために井戸に水を汲みに来たリビー。右手前にあるちょっと変わった形の井戸の前には粉々にわれたパイ皿と型抜きがころがっていた。さて、それは一体。。(続きは絵本を読んでくださいね)
  
(絵本をお持ちでない方のために挿絵画像掲載しましたが、この挿絵を見ることで、お話が読みたいって思ってくれればうれしいです。)

▼ヒルトップ入口に続く小径

 ヒルトップ手前にあるショップを抜けると、ヒルトップの入口へ続く小径が続く。この小径を舞台に描かれた作品はふたつ。

 
 小径の先にはヒルトップの入口が見える。前回の7月来た時よりも緑がさらに濃くなっていた。

  
 (左の挿絵)『こねこのトムのおはなし』より
        ビアトリクス・ポター(著) いしいももこ(訳) 福音館書店(刊)
  タビタお母さんが外で遊んでいた子供達、トム、ミトン、モペットを家に連れ戻す場面の舞台が、ヒルトップへと続く小径。

 (右の挿絵)『こぶたのピグリン・ブランドのおはなし』より
        ビアトリクス・ポター(著) いしいももこ(訳) 福音館書店(刊)

  ピグリン・ブランドの弟アレクサンダーは、許可書をなくしてしまい近くの農場に連れていかれましたが、近くの農場というのが「ヒルトップ」のことで、アレクサンダーはそこでうまくやっていったとそうです。おまわりさんの後をとぼとぼ歩くアレクサンダー。この歩いている小径がヒルトップへと続く小径

(絵本をお持ちでない方のために挿絵画像掲載しましたが、この挿絵を見ることで、お話が読みたいって思ってくれればうれしいです。)

▼「ヒルトップ」の庭 念願の卵をついに発見!

 前回の旅で見つけることのできなかった「ジマイマの卵」。庭に出た私は「卵、卵」と口ずさみながら草の間に目をこらします。やっぱり今回も見つけられないかもとダイオウの茂みの中を探すのをあきらめ場所を移動したら「卵」がありました。

  
 ヒルトップへと続く小径の庭の中にあったジマイマの卵。撮影後は他の誰かにみつからないようにそっと草で隠しておきました。
 草をかきわけ卵を撮影している時、外人女性が近づいてきて何事かとのぞきこむ。「ジマイマの卵だよ」って説明してあげると「オー!」と言ってうれしそうに微笑んでいた。

  
 (写真左)ジマイマが卵を隠したダイオウの茂み
 (写真右)大きく育ったレタス

 
 ピーターがマクレガーさんから逃げた時にもぐりこんだじょうろと、マクレガーさんがピーターをつかまえそこねたふるい、そしてピーターがひっくり返した植木鉢

花の名前はわかりませんが「ヒルトップ」の庭で咲いていた花々
  
 
  

  

ヒルトップの庭に散歩しに来た猫。もしかしてあなたはトム?
  

▼「ヒルトップ」解説本

 
 「BEATRIX POTER AND HILL TOP」日本語イラスト入り解説書
 Judy Taylor(著) The National Trust(刊) 1989年初版  2.50ポンド

 この解説書は、ビアトリクス・ポターが「ヒルトップ」を購入し、その後どのような人生を過ごしたのか、またヒルトップ内部の装飾品の説明、コレクションした絵画の作者と作品名なども克明に紹介されている。このガイドブックはヒルトップのチケットオフィス、もしくはヒルトップ内のショップでしか購入できないので、こちらにいらした方はぜひこのガイドブックを見ながらヒルトップ内部をじっくりと見学してもらいたい。

▼ヒルトップのショップで見つけたものは

  「ヒルトップ」のショップの営業日&時間:
  月〜水曜、土・日曜のショップオープン時間:10:30−17:00
  木・金曜のショップオープン時間:11:00−16:00 無料で入場可能

 
 
 湖水地方にやってきたのなら必ずや訪れる場所、それがここ「ヒルトップ」。このショップにあるグッズはやはり格別な思いを抱くのではないだろうか。私もこの場所で念願のロイヤルドルトンのフィギュアを3つ購入した。何故って?それはインターネットの普及で、通販を利用し何でも購入できる今日では日本にいながら英国のグッズを購入することも可能になったが、もともとは英国でしか購入できないグッズだし、あこがれのあのショップで買ったというプレミアムは、自分にとって価値があるので思い出を買うようなつもりで大枚をはたいたのだった。

 今回もどのフィギュアを買おうかと楽しみにしていたのだが、ヒルトップのショップのレジカウンターの後ろの棚一面に並べられていたフィギュアは、きれいさっぱりなくなっていた。
 「ロイヤルドルトンがピーターラビットシリーズのフィギュアを今後一切作らない」というあの噂はどうやら本当なのか?

ヒルトップ 念願の卵を発見(完)
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ラピータの部屋コンテンツ 英国旅行記2003年版 2003.9.15 ラピータ著