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〜〜〜  ビアトリクス・ポターの描いた絵本の舞台を追いかけて(2003年8月) 〜〜〜

5日目(8/23)  ビアトリクス・ポターが絵本に描いた場所は、どの場所も素晴らしい景色?!

  ホークスヘッド 〜 KIRKBY LONSDALE
 〜 ダーウェント湖 〜 リトルタウン
  

旅行5日目 ちょっと遠出も ピーターラビット アンド フレンズを追いかけて

  • ホークスヘッド ポター・ギャラリー


▼Breakfast

 ケズウィックパークホテルの朝食
 
 目玉焼き、ベークドトマト、ハッシュドポテト、ソーセージ、ジュース、食パン

 このホテルの朝食は、イングリッシュBreakfastでありながら、とってもシンプルで量も少なめ。撮影するには物足りないけど、お腹のことを考えるとこれぐらいの量がちょうど良い。

▼ビアトリクス・ポター・ギャラリー Beatrix Potter Gallery in Hawkshead

 最初に立てた旅行計画では、旅行2日目に訪れる予定だったビアトリクス・ポター・ギャラリー。既にポター・ギャラリーのあるホークスヘッドを離れ、ケズウィックに移動した後だったけれども、友人の「なんぼでも運転しまっせ」の頼もしいひと言で、再びホークスヘッドに向けて出発。

  
 (写真左) ビアトリクス・ポター・ギャラリーの入口がオープンになっていることに感激。
 (写真右) ギャラリー入口の反対側より撮影。ガラス窓越しに見えるゼラニウムを今度は(↓)中から撮影。

  
 (写真左) ギャラリー入口の反対側のガラス窓のある部分には、ピーター人形が展示。
 (写真右) ピーター人形の横には、ヒルトップ・ハウスにもあったゼラニウムの鉢が展示されていた。

 2回の英国旅行で、同じ場所に4度もやって来て、始めてオープンされた入口を見た。ドアが開いているだけで、「やっとなかに入れる」と、緊張と震えでゾクゾクし、思わず頬をひねりたくなるそんな気分。人一人がやっと通れる入口を抜けると、右手に受付のカウンターがあり、入口正面にはガラス窓で、ピーター人形がお出迎え。

 また、1987年11月から1988年1月にテート・ギャラリー(The Tate Gallery)にて「ビアトリクス・ポター展」が開催された時に制作されたポストカードが4点あり、コイン入れに1点につき50ペンス(0.5ポンド)と明記され、「コインを入れ、ご自由にお持ちください」と書かれていた。以下が、その時に50ペンスで購入したポストカード。
  
 (ポストカード左)「A sketch from the shore at Derwent Bay」
 (ポストカード右)「A view of the Newland Valley」

  
 (ポストカード左) 「Amanita muscaria (Fly Agaric) with polypody fern and lichen」
 (ポストカード右) 「Two squirrels on a log」

 
 こちらのポストカードは、ギャラリーで販売してたもの。
 「The solicitor's office, formerly the offices of William Heelis」 0.99ポンド

 この建物は、ビアトリクス・ポターの夫ウィリアム・ヒーリスが弁護士事務所として使用していた場所。1988年、ナショナル・トラストが博物館兼ギャラリーとして整備し、一般公開された。

 ギャラリーの受付で入場を済ませ中に入ると、左手にポストカードのような事務室がそのまま保存されていた。それほど広くない事務室のすぐ脇には、2階へと通じる階段があり、階段を登りきった先はポター・ギャラリーとなっている。階段下の踊り場には、ビアトリクスが所有していたハードウィック種の羊が、コンテストで賞を受賞した際のトロフィーが展示されてた。

  
 (写真左) ビアトリクス・ポター・ギャラリーのガイドブック 2.75ポンド
 (写真右) 希望すれば、ガイドブックの表紙の裏に、ギャラリーの建物を模したオリジナルスタンプを捺印してくれる。

  「ビアトリクス・ポター・ギャラリー」(Beatrix Potter Gallery)
   入場料 大人 3ポンド 
 
  「ビアトリクス・ポター・ギャラリー」営業日&時間:
  日〜木曜 10:30〜16:30
  金・土曜 クローズ

  住所:Main Street, Hawkshead, Ambleside, Cubria LA22 0NS
  主な行き方:
  ヒルトップよりホークスヘッド行きのバス(Bowness to Hill Top & Hawkshead Service 525) 約8分
  ウィンダミア駅よりホークスヘッド行きのバス(To Coniston & Hawkshead Service 505/506) 約35分
 
  駐車場:ホークスヘッドのインフォメーションセンター近くに駐車場あり

 
 「ビアトリクス・ポター・ギャラリー」の入場チケット

 2Fギャラリーは、小部屋が2つと、階段の踊り場で仕切られた左右それぞれ2箇所、計4箇所にビアトリクス・ポターのオリジナル作品(原画)が展示されている。

 これらの作品は、すべて水彩画であるため、博物館並みの厳しい条件で管理され、500点の原画の内、展示されるのはごく一部で、毎年そのテーマにあわせ、展示される作品が替わっていく。一度行ったことがある人でも、年度が変わればまた違う作品が展示されているという事。そのため、これらの作品を全部見るためには何年通わなくてはいけないのだろうか。。。。

 以下は、私が原画を見て、新たに感じたことをいろいろと。


 『ひげのサムエルのおはなし』

 原画で見るサムエルは、眼光が鋭く、おはなしから伝わってくるサムエルの怖さは、この目の迫力にあったのかと改めて感じる。

 色の伝わり方に関して、原画の方がよりダイレクトに伝わってくる。サムエルは、怖ろしい存在のはずなのに、黄色のチョッキ、辛し色のズボン、モス・グリーンの上着など、着用しているものは、とても上品な色合いで素敵。

 『モペットちゃんのおはなし』

 原画で見るモペットちゃんは、毛並みが素晴らしいことと、大きな瞳のなかに細くて垂直な瞳孔、この眼の描き方ことそが、猫という決定的なポイントではないかというのが、原画から伝わってきた。

 『「ジンジャーとピクルズや」のおはなし』

 ギャラリー内に、おはなしから飛び出てきたかのように、ビスケットの四角の缶が展示されていた。そこに、同じ缶が描かれた原画も。

 また、犬のピクルズが狩を手伝う場面、書籍ではうさぎの行動、特に巣穴に急いで入っていくうさぎの姿が注意深く見ないと見落としてしまうところだが、原画はその様子が手にとるように伝わってきた。

 『りすのナトキンのおはなし』

 原画で見るナトキンは、目の輝き方が違う。特にふくろうじいさんの家をのぞくナトキンの目が可愛くて、目に光がさしてキラキラとしていたため、よけいにその可愛い目が印象的。書籍に印刷された挿絵では、なかなかここまで伝わってこない。

 また、ナトキンが「まっかやきいろのかしわのみをあつめて」の部分、原文は「oak-apples yellow and scarlet」となっているが、原画は真っ赤ではなく、ダークな赤だった。原文では、確かにスカーレット(深紅色)となっている。

 『ジェレミー・フィッシャーどんのおはなし』

 ここでひとつ発見!書籍で挿絵を見る時と、原画を見る時では、自分の目が行く順番が違うということに。

 書籍でで見る挿絵は、物語の言葉をたどりながら挿絵を見るが、原画の場合「ここからから見て」とささやきかけてくるかのよう。なので、次から次へと小さな発見が。それほど、ポターは絵を描く技術に長けていたという事実に改めて気づかされる。

 そのほかに気づいた点は、ジェレミーがマスに食われそうになって水面に浮かび上がってくる時、水面に描かれているた泡が、「まるでソーダ水のびんのコルクとあわのように」と物語にあるとおり、原画で見る水面の泡は、そのひとつひとつがとてもリアルで、ソーダ水のシュワーと上がってくる時の泡そのもの。迫力があった。

 『まちねずみジョニーのおはなし』

 原画で見るエンドウ豆を食べたチミーが、さやのなかで寝ている姿は、書籍の挿絵で見るよりも原画ではさらにひと回り小さく描かれている印象的。

 また、緑色に関して、これは他の原画にも当てはまるように、印刷技術の問題なのか、原画の緑と印刷された緑では、どうしてこんなに色の差が出るのだろうと、不思議に思うほど。

 そのため、チミーが寝ているエンドウ豆のフレッシュさの伝わり方が、原画と書籍では全然違うように感じた。原画のエンドウ豆は、収穫されたばかりのフレッシュさが充分伝わってくるため。

 また、ネコがソファーの周辺をジョニーが隠れていなかと探しているシーンは、ソファーにかかるカーテンの色が、原画ではさらに深みのある色で、その美しさに思わず見とれる。

 『2ひきのわるいねずみのおはなし』

 この物語になくてはならないアイテム、外観がレンガ造りのドールハウス。原画はレンガの色が全体的にもっと薄い色で、背景にすごく馴染んでいる。書籍はレンガ色が強烈でドールハウスがより強調されてしまい、背景がかすんでしまっているように思う。

 また、お皿を叩き割るトム・サムの目が、ナトキン同様、目がクリクリして、こんな悪さをしているのに、楽しくて仕方がない、そんな目の印象を、原画より受ける。

 『こねこのトムのおはなし』

 原画で見るこねこのトムの印象は、書籍で受ける印象よりも、更にずんぐりむっくりした体型のように見受けた。

 また、お母さんに身支度を整えてもらっている場面は、ブラシをとかしつけられている姿や、出窓で待っている姿の体の毛並みが、とてもリアルに細かく描かれているのに驚く。

 トムの着ている服がよれよれになりながら庭を歩く場面は、トムの足元の花の色が、それはそれは美しく、『こねこのトムのおはなし』が愛される理由のひとつは、この花の美しさに惹かれるからではないかとも思った。

 『あひるのジマイマのおはなし』

 ルバーブの葉の茂みに卵を隠したジマイマが、男の子ラルフに見つかる場面で、ゲートの向こうにいるラルフの姉ベッツィの顔の表情、特に口元まで、書籍ではなかなか伝わりづらいのですが、原画では楽しそうな口元が伝わってきました。

 また、ジマイマが空を飛び森へと向かう場面でも、辺り一面の緑色がとてもあざやかで素敵でした。

 『キツネどんのおはなし』

 冒頭の場面で、石垣の向こうにキツネどんの後姿、それを5匹のうさぎがそっとのぞきこんでいる。原画は、陰影部分がくっきりとつけられているので、5匹のうさぎたちが息をころして見つめている雰囲気が、書籍から受ける印象とより、さらに伝わってきた。

 『こぶたのピグリン・ブランドのおはなし』

 最後の場面で、ピグリンとピグウィッグがダンスをしている原画は、ピグリンたちの足元に3匹のうさぎが描かれていて、1匹は草を横笛のように吹き、1匹は足を伸ばしてくつろぎ、1匹はお座りして手には打楽器のようなものを持っている。この場面のピグリンとピグウィグは、笑って楽しそうな表情が、原画からよく伝わってくるのと同時に、原画サイズが、横20cmぐらい、縦15cmほどと、ほかの原画サイズと比較し少し大きいという特徴もあった。

 『ベンジャミン バニーのおはなし』

 原画で見て改めて気づいたのが、ベンジャミンのおとうさん、バニー氏の圧倒的な強さ。子供うさぎと、大人うさぎの体の大きさの違い。ベンジャミンたちがむちで打たれる場面は、バニー氏のお尻の大きさ、目の大きさ、そして何よりも木靴の大きさの違いなど、大人には逆らえない、そんな強さを体の大きさからも表現しているというのが、原画からより一層と伝わってきた。

 『アプリイ・ダプリイのわらべうた』

 こちらの原画は、一枚、一枚、どれも色があざやかで、とても美しかった。お年寄りのはりねずみ(Old Mr. Pricklepin)の作品に描かれた陶器のポットも印象的。

 他には、Delmar Banner(デルマー・バナー)が描いた、ビアトリクス・ポターの肖像画やぬいぐるみなどの展示なども。

 
 Delmar Bannerが、1938年に描いたビアトリクス・ポターの肖像画をポストカードにしたもの。(いただきものです)

 こんな調子で、原画を一枚、、一枚、感嘆しながら見ていくものですから、時間がかかり、なかなか次の作品に進めない。友人はとっくにその場を離れ、気づけば私ひとりでした。ポターの魂が宿ったこれら作品から受ける印象は、作品の奥深さを伝えると共に、様々な違った視点も与えてくれた。

 ビアトリクス・ポター・ギャラリーは、本当に素晴らしいギャラリー!拍手喝采を贈りたい、「ブラボーーーー」と叫びたくなるそんなギャラリーだった。

▼ウィンダミアのスーパーで見つけたもの

 
 (写真) スーパーの地図売り場コーナーで見つけたこまどり。

 これは、ウィンダミア駅のスーパーマーケット「Booths」いたこまどり。野鳥生物保護団体(RSPB)の寄付を募るもので、英国の国鳥としても愛されるこまどりは、このようにシンボルとしても活躍している。

 ここでは、「Lake District AZ VISITORS' MAP(4.50ポンド)」と、すっかりと紅茶ファンとなった私に友人が薦めてくれた「Yorkshire Tea(6.48ポンド)」を購入。

 ここで友人のご主人が温めていた驚きプランの発表が。

 「ラピータさん、せっかくここまで来たんだから、ピーターラビット  アンド フレンズの北部にあるショップ、全部まわりましょう」と。

 この提案には、奥さんもびっくり!

 ここまで、アンブルサイド、ウィンダミア、ボウネス、グラスミア、ケズウィックと5つのショップに行くことができただけで満足していたのに、このようなびっくり提案で、予定になかったカークヴィー・ロンズデール(Kirkby Lonsdale)と、旅行9日目のヨーク(York)のショップにも立ち寄ることになった私達。ビアトリクス・ポターを巡る旅は、ピーターラビットグッズショップを巡る旅という嬉しいおまけまでつき、旅は後半戦へと突入していくのだった。

ホークスヘッド ポター・ギャラリー (完)
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旅行5日目 ちょっと遠出も ピーターラビット アンド フレンズを追いかけて

  • KIRKBY LONSDALEのピーターラビット アンド フレンズ

▼カークヴィー・ロンズデール KIRKBY LONSDALE

  
 (写真左) どこまでも広がる放牧地、緑のロンズの谷に囲まれた町、カークヴィー・ロンズデール
 (写真右) 古い石造りの建物が並ぶ、とても雰囲気のある町並み。

 この町に来た目的は、ピーターラビット アンド フレンズのショップに立ち寄るためだけだったため、何故この場所にショップがあるのかなど深く考えずに訪れたその場所は、歴史を感じずにはいられない古い建物が建ち並ぶ、また観光客が想像以上に訪れている場所だった。

  
 (写真左) ピーターラビット アンド フレンズのあるマーケット・スクエアに向かう道にて
 (写真右) マーケット・スクエアにて、ピーターラビット アンド フレンズのカークヴィー・ロンズデール店を発見!


▼Lunch

  
 (写真左) 石垣のアーチを抜けた先にあるカフェ・レストラン「The Mews」
 (写真右) メニューにオムレツがあったので、迷わず注文。オムレツの具は、トマト。 7.5ポンド

 外観は、コッツウォルズで見かけるハチミツ色より、少しくすんだような色合い、それらの石を積み上げて造られた建物で、アーチをくぐるところから、アプローチにいたるまですべてメルヘンチックだった。湖水地方とヨークシャーデールの間にあるこの町は、湖水地方のスレートを積み重ねた景色とはまた違い、短時間だったが十分楽しめた。

 なんといっても大好きな卵料理、一人前にしては量が多すぎるが、おいしくいただく。食事をして、元気が出たところで、再びケズウィック方面へと車を走らせ、さらなる絵本の舞台を追いかける。

KIRKBY LONSDALEのピーターラビット アンド フレンズ (完)
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ラピータの部屋コンテンツ 英国旅行記2003年版 2009.12. 3 ラピータ著