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〜〜〜  ビアトリクス・ポターの描いた絵本の舞台を追いかけて(2003年8月) 〜〜〜

2日目(8/20) 湖水地方   ヒルトップ、ニアソーリー
  

旅行2日目 車で湖水地方に移動

  • Dinner

▼Ees Wyke Country HouseのDinner
 
 散策中は寒さも感じず、興奮しきって疲れすらあまり感じなかったのに、宿に戻った途端心地よい疲労感が押し寄せる。そして椅子に腰掛けた途端、お腹の虫が演奏を始める。

 
 (写真)Ees Whke Country Houseのディナー用のウェイティングルームにて

 ディナーの準備がととのうまで、ウェイティングルームで食前酒を楽しむのが英国流。私は白ワインをセレクトしてもらい、ソファに腰掛けていただく。宿泊客はみな同じようにウェィティングルームに集まり、ここで顔合わせとなるのだ。顔を見合わせたら、どちらかともなく会話が始まり、今日は何をしたとか、出身はどこ?みたいな話をするのだが、私にはとても無理。挨拶を笑顔で乗り切り、後は雑誌を読むふりをする。


 ディナーの準備がととのい、いよいよテーブルへ。

  

 テーブルの上にはプリントアウトされた用紙が置いてあり、日付入りで当日に用意されたメニューがずらりと書いてある。着席すると、宿のオーナーご夫人がやってきて、メニューの中から、スープ、メイン、デザートのどれがいいか選ぶのだけれど、これがまた難しい。食事前のこの作業はつらくて、涙がでそう。

  8月20日の Dinner Menu・・・用意されたプリントアウトされた用紙(←クリック)
  この用紙を見て、*印毎に仕切ってある中より一品選ばなければいけない。

  一番上の3品の内いずれか(スープ、サラダ、サーモン)
  2番目は1品のみ(天ぷら)
  3番目はメインの3品の内いずれか(ラム、サーモン、チキン)
   (いずれも、カリフラワー、ブロッコリー、豆、ポテトはついてるよという説明書きも)
  4番目はデザート(タフィプリン、サマープリン、いちご)
  最後は、別料金でチーズ各種があるよ。
  コーヒーとチョコレートはサービスよと書いてあったらしい。

 これらの品を選ぶのに、悪戦苦闘。メインは、ラム、サーモン、チキンの3つの中から好きなものを選べばいいのでそんなに難しくないって普通は考えるけれど、そこには落とし穴が。どのような味付けをしているかまで調べないと、とんでもなく甘いソースのかかったチキン料理が運ばれてきたりするのだから恐ろしい。もちろん、日本のメニューのように写真付きのメニューなんて存在しない。英語でびっしりと書かれた用紙を何度眺めても頭の中に入る訳はなく。。。ええい、どうにでもなれーという気持ちになり、ワインをごくりと飲み干す。


  
(写真左)Minty pea soup えんどう豆のスープ 生クリーム添え
      濃すぎず、薄くもなくおいしかった

(写真右)Tempura prawns with saffron souce and rice 海老の天ぷら 焼きおにぎり付き
 この日は日本人客が2組ということもあり、日本食を用意してくれたようだが、しかし、うーむ。天ぷらには塩味で下味がついてないし、サフランソースでは物足りないし。そして焼きおにぎりのつもりなのか、ライスプディングみたいなものもまったく味なし。「おお、日本食が食べれる」と期待しただけに、みんなで落ち込む。落ち込みながらも、食べられない味ではないし、食べられる味というだけでも良しとしなきゃと、気を取り直す。


  
(写真左)Pot roasted chicken
 チキンのワイン蒸し、チキンの上に乗っているのがエシャロットらしい。これはシンプルな味付けでおいしくいただけた。

(写真右)Sticky toffee pudding
 べっとりべたつくプリンというよりは、砂糖の固まりにコーティングされたケーキ。それも砂糖1袋分ぐらい使ったじゃないかと思うぐらい口の中でべたつく。まったく違うものを想像していた私は、目の前にこの皿を置かれた時は目が点になってしまった。「なんじゃ、こりゃぁ」と叫びたくなってしまった。だってプリンて書いてあるんだもん。目が点になりながらも、恐る恐るひと口。「ぎゃぁぁぁぁぁ〜」脳天がぶち抜かれそうな甘さに仰天!!

 ひと口食べただけで残りを食べるのは無理と思いながらも、英国の伝統菓子で英国人は大好きという話を聞くとまた口に運んでしまう。その度に「ぎゃぁ」って思いながら。でも、一度脳天をぶち抜かれた後なので、甘味を認識する感覚が狂ってしまったらしい。スプーンでほんの数ミリずつ削って食べていたのが、気づけばひと口サイズが大きくなり、半分以上食べた頃には、味覚がなくなり普通に食べられるように。


 
(写真)友人が選んだデザート。English strawberries
生クリームでコーティングされたいちごのデザート。こちらは甘酸っぱくておいしかった〜。いちごにしておけば、クラクラすることもなかったのに。


 メインが英国には珍しく(失礼)おいしい味付けだったので、最後のデザートがなんとも残念だったけれど、タフィープディングも日本人向けに甘さ控えめに作ってくれればおいしかったはず。今となっては英国人が大好きな湖水地方の伝統的なデザートを体験できてよかった。
 が、しかし・・・もしまた湖水地方に旅行する事があっても、 Sticky toffee puddingは二度と口にしないぞと誓うのであった。

 食事が終わると、別室のウェイティングルームに案内され、コーヒーお代わり自由、お茶受けにチョコも置いてある。これ以上甘いものは。。。な私はコーヒーでお口直し。英国の食事事情はあいかわらずのようだけど、それでも二度目の英国。文句を言いながらも全て食べてしまってるので、ダイエットにはならないようだ。


 今回一緒に旅してくれた友人は、私の一度目の英国旅行記を読み密かに目標を立てたそうだ。その目標とは、

 「ラピータさんに、おいしい英国料理を味わってもらいダイエットさせないこと」

 だったらしい。最初のDinnerは文句を言いながらも食べることができたのでまずは2日目にして(大)成功。それにしてもそんな目標を密かに立ててくれていたなんて、なんて私は幸せものなんだろう。改めて友人に感謝。


Dinner (完)
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旅行2日目 車で湖水地方に移動

  • タワー・バンク・アームズ あこがれのパブに入店

▼夜は別顔「Tower Bank Arms」
 
 ディナーを済ませた後、食後の一杯を楽しむため、宿より徒歩1分の「タワー・バンク・アームズ」へ。夜9時も過ぎると、サマータイムで昼間の時間の方が長い英国にも夜がやってきた。タワー・バンク・アームズは、宿から近いとはいえ街灯がまったくないため、辺り一面は真っ暗闇につつまれる。

 少し歩くと、タワー・バンク・アームズのライトアップされた建物が、夜の闇の中にぽっかりと浮かび上がってきた。昼間とまったく違う雰囲気を持つその姿に、しばし見とれてしまう。夜に見るタワー・バンク・アームズは、ポターの絵本に出てくる建物とは別の顔をしていた。その姿は、また違う絵本の世界の中に溶け込みそうな幻想的な雰囲気さえある。ぼんやりと浮かぶライト、優しく手招きするようなオレンジ色の輝き。ふと気づくと友人の姿はなく、夜の闇の中にひとりぼっち。慌てて店内へと駆け込む。


  
(写真左)同じ日の昼間撮影したタワー・バンク・アームズ
(写真右)同じく夜、まったく同じ場所で撮影したタワー・バンク・アームズ


▼バーマン(Berman)
 
 店内は、幻想的な外の雰囲気とはまったく違って大賑わいだった。どこにこんな人がいたのか?と思うぐらい、地元の人たちがビール片手に世間話をしている。そんなに広くない店内はそれら大勢の人の会話が反響し、目の前にいる友人との会話も成り立たないぐらい。が、しかしそんなことはまったく気にならず、その場の雰囲気に飲み込まれる私達。

 思えば、前回の旅行ではこの建物の概観を写すのみだった。勇気を出して中に入ればよかったのだけれど、注文の仕方がよくわからない私には無理と思い、最初からあきらめていたのだ。でも今回は頼もしい友人と一緒。パブの注文の仕方を教えてくれた。
 どんなに賑わっていても、パブのバーマンは、絶対に客の順番を間違えないそうだ。店内に入ったら順番が来るまで席について待っているだけでよく、いつ注文させてもらえるのかって不安な気持ちで待っていなくてよいそうだ。
 
 バーマンはひとつの注文をこなしたら、「次」と指をさす。そこで私達の方を向いたときに注文を言えばいい。もちろん混雑してなかったらすぐに注文を受けてもらえるだろうし、日本のようにテーブルに注文を聞きにきてくれるパブもあるけれど、バーマンしかいない場合はこのようなシステムなんだそうだ。それにしてもやっぱりパブというのは敷居が高く、日本人女性がひとりで旅する場合は訪れるのが難しそう。

  
(写真左)パブのカウンター内に並ぶいろんな種類のお酒
(写真右)優しいオレンジの光を放っていたのは、ルームライト


▼店内で見つけたものは

 パブの雰囲気にも慣れ、店内を見渡してみると壁にはこの場所を訪れた有名人の写真がたくさん飾ってあった。もう飾る場所がないぐらいぎっしりと。私の座った場所の近くには壇ふみさんの写真が。湖水地方を紹介するTV番組に出演された時に、この場所も訪れ撮影に応じたのだろう。

 人物の写真に混じって映画の撮影シーンの写真を見つける。席を移動してよく見てみると、ピーターラビットが映画で飛び回るという見出しで、絵本作家ビアトリクス・ポターの孤独な少女時代から絵本作家となる結婚前までの半生を映画化するという新聞記事の切抜きと共に、ニアソーリーで実際に映画の撮影をしている模様が写し出されていた。

 cate blanchett(ケイト・ブランシェット)主演 「miss potter」
 関連記事:www.flix.co.jp/v2/news/N0005965.shtml

 注意)ケイト・ブランシェット主演で公開予定だった「miss potter」は、レニー・ゼルウィガー主演に変更され、2006年秋に公開予定(2006.1.25追記)

 映画のワンシーンを紹介する写真では、ポター役のケイト・ブランシェットが、ポストに手紙を投函するシーンや、タワー・バンク・アームズをバックに散策するシーン、馬車に乗って移動するシーンなどもあった。そういえば日本を発つ前、映画化されるという情報を得ていたのだけれど、既に撮影はおこなわれていたのだ。

 もう少し早く湖水地方に来ていれば撮影している様子も見られたかもしれない。でも、もし撮影中だったら宿はいっぱいだろうし、ゆっくりと見て回れなかったかもしれないけれど。

  
(写真左)タワー・バンク・アームズの壁には、有名人の写真がずらり
(写真右)その中の一枚 壇ふみさんの写真

  
(写真左)新聞の切り抜き
(写真右)撮影シーン ポターがポストに手紙を入れているシーン

  
(写真左)タワー・バンク・アームズをバックにポターがにわとりと一緒に歩くシーン
(写真右)撮影の合間の打ち合わせ風景

 
(写真)小さな子供たちも登場している

  
(写真左)せっかくのパプだけど疲れがたまっていたので、オレンジジュースで壇ふみさんの写真と一緒に乾杯!
(写真右)タワー・バンク・アームズでも売られているポストカードと、ガイドブック
 ガイドブックの「BEATRIX POTTER AND HAWKSHEAD」は、ニアソーリーのお隣町ホークスヘッドのポターギャラリーでしか購入できないのだけれど、ここでは売られていた。
 もしポターギャラリーがクローズしていてどうしても見て回れない時は、タワー・バンク・アームズに立ち寄ってガイドブックだけ買い求めるということもできる。
(ガイドブックの紹介は、5日目の「ホークスヘッド ポターギャラリーにて」)


 
 タワー・バンク・アームズで購入したポストカード

 オレンジジュースを1杯飲んだだけで1時間以上はいただろうか。映画の撮影シーンの写真とこんなところで出会えた喜びにひたり、そしてワイワイ、ガヤガヤのパブの雰囲気にお酒を飲んでいないのにほろ酔い気分になってしまった。宿への帰り道、「明日は早起きして本物のうさぎに会いに行こう!」「頑張って早起きするぞー」と言いながら、「うさぎ、うさぎ」と気持ちが昂ぶる。

 部屋に戻ってから、チョロチョロとしか出ないシャワーに悩まされイライラは絶好調に達したが、ヒルトップのショップで購入したものをベットの上に広げてにんまり。旅行日程の2日目も元気に、充実した内容で過ごせたことに感謝しつつベットへ。ベットシーツはとっても気持ちが良く、そしてベットはふわふわ。うさぎの夢を見る間もなく熟睡モードへ。さ〜ぁて、早起きはできるのだろうか。

 
(写真)本日の収穫品〜(ヒルトップのショップで購入したもの)



タワー・バンク・アームズ あこがれのパブに入店 (完)
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ラピータの部屋コンテンツ 英国旅行記2003年版 2005.2.7 ラピータ著